ECサイト構築時に何を準備する?最も大事なこととは …

海外向け・国内向け問わず、ECサイトを構築するときに「何を用意すればいいですか?」という質問を新規のお客様からはよく頂きます。

ECサイトを作る時は、見た目のビジュル=①デザイン的な素材と、商品データ=②商品データベースの有無、この2つが必要不可欠です。

では、どちらがより重要かというと、、、、。
ということで、今日はECサイト構築時におけるデータ作成の重要性について紹介します。

商品データベースとは?

何かのアイディアを思いついて、ECサイトを立ち上げようと思った時、最も重要なことは何?と聞かれれば、「データベースがあるかどうか?」これに尽きます。
データベースとはMySQLやOracleなどの技術的なデータベース名のことを言っているのではなく、エクセルやCSVフォーマットで整理された商品データのことです。

データがないとECサイトはスタートできない

例えば、ある地域におけるECサイト(国内向け・海外向け問わず)を立ち上げようと思います。まず考えがちなのは、ECサイトの見た目の部分やマーケティングにフォーカスしてしまいがちです。
もちろん、見込み客にどうやって商品を知ってもらうか、、必ず作業工程としては必要になってきます。

しかし、ECサイトというのはデータがないと何も進まないというのが事実なのです。

データというのは、商品名・カテゴリ名・JANコード・価格・重量・メーカー名・キーワード・生産者(製造メーカー)・スペック・在庫数・ポイント付与数、、、こうした商品に紐づく内容全てを言います。Amazonに掲載されている商品というのは、フォーマットこそ違えど、大方こうした情報がきちんと整理されていて、価格やカテゴリで商品を絞込して検索ができるようになっています。
逆に言えば、検索ができる=データに基づいて検索されている と言い換えることができます。

データがあることで進化できるECサイトのビジネスモデル

データをもっていることで、次のレベルにビジネスを進化させることができます。

一次データ(ここでいう一次データとは日本語によるオリジナルデータのこと)があるということは、一次データから二次データが生成され、応用次第で以下のビジネスに進化させることができます。

  • データを翻訳することで、多言語サイトを作れるようになり、多言語サイトを作ることは見込み客数の大幅アップにつながる。
  • データを特定のカテゴリだけ抽出して、専門店のECサイトを作ることが可能になる。
  • データを卸会員向けにダウンロードできるようにすることで、未来問屋のような顧客直送型ドロップシッピングサイトを提供することが可能になる。
  • Google 商品検索に登録し、Googleの検索結果に写真付きで商品を掲載できる。
  • 商品単位でコミッションを設定した細かいアフィリエイトプログラムを提供することが可能になる。
  • スマートフォンやiPadなどの多様なデバイスに対して、最適化したUIでショッピングを提供することが可能になる。
  • 価格コムの中古車検索サイトで提供されているような、価格帯の分布マップを提供することが可能になる。(価格データから主要なキーに基づき表を作成することなどができる、これは以外とやっているサイトは少ない)
  • カスタマレビューを収集し、製品開発やサービス向上など、顧客の意見をダイレクトに集める事ができる。顧客にとっても製品購入時の判断材料になる。
  • 商品データに紐づいた関連商品・クロスセル商品を定義することができ、これによってサイトの徘徊性やPV数が上がり、CV数や平均購入単価アップなどにつなげる事が可能になる。
  • 人気商品をランキング形式で並び替えすることが可能になる。
  • 商品同士の関連性を注文データベースから検索し、Amazonでお馴染みの「この商品を買った人は、、」とレコメンドを提供することが可能になる。

逆に、商品データを持っていないということは、上記の例のようなことが何一つできないということです。
あまり気づいていないかもしれませんが、GoogleとはこうしたデータをGoogleクローラーなるホームページの収集システムを独自開発し、収集したデータをさまざまな演算処理をすることで利用者に検索エンジンを提供している、まさにデータあってのサービスが成り立ってる代表例と言えます。

ということは、、、。なんとなく点と点がつながってきましたでしょうか。
インターネット上でビジネスをしている企業というのは、例外なく自社で商品データベースを持っています。

データを集め、データを加工し、サービスにしているのです。

ECサイトを作るというのは、言い換えるとデータベースを集め、きれいなフォーマットに整理し、ECサイトでそれを提供しています。
例えば、Live CommerceでECサイトを作ると、何に最も時間がかかるかと言えば、商品登録でしょう。しかし、商品登録さえしてしまえば、レコメンド、クロスセル、関連商品、ランキング機能、全文検索、並び替え、絞り込み、、、などの商品データを利用者が自由に操作することができるようになります。

あなたがECサイト担当者なら、同業他社よりも優れているデータを出来る限り短時間で収集する仕組み、そのデータをECサイトに素早く反映させるための仕組みが実はものすごい大事なことに気づくはずです。
データを「集める」・「作る」という仕組みを作ることは、ビジネスモデルの根幹の部分でもあり、原材料を集めて商品を作るのと同じくらい大事なことなのです。

あなたがデータを持っていない場合、誰かのデータを副次的に再利用することになります。そうすると、あなたのECサイトは川上にいるのではなく、川中か川下でビジネスをすることになります。つまり、常にデータが提供されるのを待っている事になります。データを自分で持っていないということは、同じ商品を売るとした場合、情報の鮮度も低く、タイムラインも最前線ではなく後方になってしまうので、競争力がありません。

しかし、あなたがオリジナルのデータを作り、一次提供者になれば、あなた自身が川上になり、ビジネス上の優位性を作り出すことが可能です。

では、データを集めるということは、データの源泉をまずは探さなくてはなりません。その源泉にデータがどのように落とし込まれてくるのか、誰がそのデータを発言しているのか、、そうしたことをトレース(追跡)することで、データ収集の仕組みづくりの第一歩となるでしょう。

商品データの作成方法・収集方法

もし、ここまで読んで「当社にはまともに整理されたデータが無い、、、」と思われた方、心配しないでください。
データの作成方法・効率的な収集方法についていくつかのヒントを提示したいと思います。

データを作成するには、データを集めることが最初にすることです。

もし、あなたの会社でデータがなかったら、もしかしたらそのデータは誰かが転売していて、Amazonにあるかもしれません。AmazonでJANコードを検索したりしてみましょう。Amazonでデータがあればそこからデータをコピーすることができますね。

Amazonや楽天、Yahooショッピングにもどこにもない、、ということになりますと、これは大変です。
ゼロベースでデータを作成しなければなりません。

マンパワーを使って1つ1つエクセルなどにデータを作成する方法もありますが、ソフトウェアによってホームページからデータを自動収集するという方法もあるので、ここでは2つ紹介します。

Web Content Extractor
詳しくはこちらの記事でも紹介していますが、ホームページのデータを自動収集するソフトを使ってデータベースを作成する方法です。フリーフォーマットで作成されたホームページでは不可能ですが、一定のルールに基いて同じ表組で繰り返されているようなサイト構成であれば、繰り返しの部分を自動取得することが出来るというものです。(Googleと同じことだと思ってください)

テキストから画像まで必要な情報はほとんど取得することができます。

Import.io
2015年9月現在はまだ無料のサービスのようですが、基本的にはWeb Content Extractor と同様の機能がウェブサイト上で行えるサービスです。
データを取得したいURLを入力すると、サーバ側で取得するソースコードを解析し、繰り返しされている部分のみを自動取得します。

私が知っているのは上記2つです、大半のものはWeb Content Extractor で取得が可能だと思って頂いていいと思います。

データのメンテナンス

データをすでに持っている方でも、データが分散してしまってはメンテナンスに時間がかかってしまい、鮮度の高いデータを保持することが困難になってしまいます。データは各自が持つのではなく、コアデータは1個所で一元管理する必要があります。管理の仕方はデータの集め方によって様々ですが、最も簡単な方法といえば、Google DocsやDropboxのようなクラウド型のデータストレージサービスを利用して、管理者を含むデータ編集者は1箇所のデータを更新する形が最も事故なく管理できるでしょう。

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