越境ECでは関税の支払いについて、トラブルが良く発生する。
ショッピージャパン株式会社の越境EC事業者110名に対して行った「越境ECの物流に関する実態調査」によると、越境EC事業者の95.5%が物流に関する課題を感じたとしている。
課題は通関手続きであったり、返品対応であったり様々ある。
越境ECは国内EC事業者が海外購入者に商品を発送し、購入者が自国で商品を受け取ることになるため、そこには関税支払いが生じてくる。
そこで、関税トラブルが発生するのだ。
関税の支払いを海外購入者が理解出来ず、商品の受け取り拒否や返品されたりするなどトラブルとなる。
ここでは、越境ECを構築する際、この関税トラブルを未然に防ぐ4つの方法を解説する。
関税(輸入消費税・立替手数料など含む)とは、海外から商品を購入した際に発生する税金のことである。
関税の目的は、安い海外製品から高い自国の製品を守るためにあり、この関税は越境ECにおいては海外からの購入者(輸入者)に支払いの義務があることを忘れてはならない。 つまり、関税とは海外から商品を購入する際に課せられた税金のことである。
購入者(輸入者)は原則、関税を負担する義務がある。
関税は、国によって制限したい輸入品が異なるため、関税のかかる商品やその税率も国ごとに違っている。
一口に関税は何%とは言えないが、一般的に輸入する商品の金額が高いほど税率も上がる傾向にある。
また、一定の金額までは、免税とするケースも多いため、輸入した商品すべてに関税がかかるというわけではない。
国によって、この関税に対する基準が異なるため、関税トラブルが起こったりするわけだ。
海外消費者が越境ECを利用して商品を購入した場合、関税トラブルが起こる要因で最も多いのは、関税の支払い拒否である。
関税トラブルは以下ののステップで起こっている。
つまり、海外の購入者は関税の支払いを知らかかった。
または、越境ECサイト内でアナウンスされたなかったことに原因があるケースが多い。
まず、関税は基本的には海外購入者が支払うべきものであることを押さえておこう。
したがって、予め越境ECでは「いくらの関税が請求されるか」など、関税に関して明記することが重要である。
以下の4つのポイントを整理した。
越境ECサイトに「関税ポリシー」と大きめのフォントで、目立つ色で誰でも確認できるところに記載する。
例えば、
など、関税に関する事業者の「越境EC関税ポリシー」を明記すべきである。
越境ECサイトに「関税ポリシー」を明記することと、さらに商品購入ページにも関税について支払いはどうなるのかを記載すべきである。
関税に対しては、海外購入者が商品受け取り時の支払いになるか、もしくは、商品購入時(チェックアウト)に輸入手数料(関税費用)として事前に支払うかを表記することが重要である。
商品に関わる料金項目としては、以下のものを明記してほしい。
さらに、商品到着時に海外購入者が関税を支払う場合は、商品の発送前に、改めて関税について伝えるとより効果的である。
関税については、関税のかかる傾向にある高額の商品を優先して、発送前にメールや電話などにより支払いの義務を連絡し、さらにインボイスのコメント欄にも記載する。
関税Q&Aを事前に設置しておくことで、海外購入者の疑問を解決することができるだろう。
さらに、詳しい関税料金を知りたい消費者には「関税 自動計算ツール」などのURLを明記するのも良いだろう。
Live Commerceでは、「ZONOSの関税計算APIサービス」を提供している。
ZONOSの関税計算APIサービスとは、越境EC専用の関税計算システムである。
越境EC事業者は商品登録の際に、HSコードを登録することで、ZONOS関税計算APIサービスを利用して、WEBサイトに関税金額を表示することが可能となっている。
関税計算はチェクアウト時に行われ、海外購入者は商品代金と一緒に支払うことができる。
詳細はこちら「越境ECサイトの関税率計算 BY ZONOS」で確認。
越境EC事業者は関税トラブルで返品などとならないように、関税の支払いについては、商品を買った海外購入者に義務があることをサイト内でしっかりアナウンスことが重要である。
参考:【eBay輸出】関税を支払いたくないバイヤーの対処法は?