今年も越境ECは注目を浴びるだろうことは、前々回の経済産業省の報告書などで明らかであるが、越境ECを始めるにあたっては様々な展開方法があることをご存知だろうか?
海外消費者に向かってオンラインショップを展開する場合、つまり、越境ECを介して、海外消費者に商品を販売する場合、その展開方法は、おおよそ5つのパターンに分類することができる。
今回は、越境ECを始めるにあたって、オンラインショップの展開パターン5つについて整理してみた。
先ず、自社ECサイトを多言語化する方法がある。多言語化、多通貨対応した当社Live commerceプラットフォームなどを利用し、自社独自の越境ECサイトを構築する方法がある。
越境ECを自社で構築する場合、サイトの多言語化、カスタマーサポート、海外配送手続き、決済システムなど、諸外国に応じた様々なシステムを用意する必要がある。
サイト構築までは投資コストや時間はかかるが、収益率が高く、プロモーション戦略を独自に立てられる、ブランディングを戦略的に行えるなどメリットがある。
パターン2は商品のターゲットを海外現地に絞って販売を展開したい場合に有効である。
現地消費者に合わせたプロモーション施策やECサイトデザイン、EC機能の設定などが可能である。
また、現地でサイトを運営する際は進出国の商店法律や商習慣に合わせたサポートやオペレーションなどすべて自社で行わなければならないので、相当の現地対応力が必要となる。
当社が運営する「Discovery Japan Mall」に出店するなどが実例であるが、パターン3は国内越境ECプラットフォーム上に出店し、商品を販売するという方法だ。
メリットはプラットフォーム運営会社より、翻訳対応、お問い合わせサポート、配送サポートなど様々なサポートを受けることができる。
様々なサポートを受けることができるため、海外向けEC展開の為のノウハウがない事業者も海外販売が行いやすいと言える。
反面、出店費用や販売手数料がかかること、プラットフォームの運営側の提供されるサービス内容や方針に違いがあるなど注意が必要だ。
海外のECモールに出店するパターン4は、例えば、中国なら「Tmall (天猫)」のような各国の代表的なECモールに出店し販売するという方法である。
メリットとしては、その国の有名モールサイトは多くの人が利用されているため、信頼度が高く、多くの集客力をモール側に期待することできる。
また、決済サービスや運営に便利な機能が予めモール側に用意されている。ただ、商品の翻訳、カスタマーサポート、海外発送手続きは自社で実施しなければならない。
また、出店するには審査があり出店手数料、販売手数料が徴収されるというデメリットがある。
パターン5の越境EC購入代行サービスは、海外消費者に代わってEC事業者のサイトで商品を購入し、海外消費者への発送・問い合わせなどを行うもので、国内販売業者には、海外向け決済・配送・法制度対応やカスタマーサポートといった業務は発生しない。
また、売上代金の未回収リスクもなく越境ECを開始することができるというものだ。
外国語対応、決済、配送、サポートなどに不安を覚える国内販売業者に変わって、これら内容を購入代行サービース業者が全て担うため、越境ECの中ではリスクが少なく、スモールスタートできる内容と言える。
購入代行サービスの事例としては、決済代行のGMOペイメントゲートウェイが行っている決済加盟店に対し、FROM JAPANの越境EC購入代行サービス「バナーをはるだけで海外販売」がある。
これは国内EC販売事業者が日本語の商品ページに所定のバナーを貼ることで、サイトへ訪れた海外の消費者が、バナーをクリックすることで、FROM JAPANの専用サイトへリンク。各国に適した言語に自動翻訳された商品・決済ページ上で、商品を購入できるというものである。
参考:「バナーをはるだけで海外販売」
越境ECを行う場合、先ず大切なのは、日本のサイトへどれだけ海外からの注文があるか確認することである。
越境ECサイトでなくとも、日本のサイトで買い物をしてくれる海外消費者はその商品が本国に無い希少価値の高い商品なので、購入しているものと考えられる。
海外消費者からの購入も、一定割合で注文が入ってくる場合は、越境ECを構築しても成功する可能性は高い。海外からの注文がたまにしかない、または全くない場合は成功の可能性は低いかもしれない。
越境ECで商品を販売する場合、何を販売するかは重要なポイントだ。
海外消費者が現地で買えるものを、わざわざ越境ECで買うことは無い。
日本独自の着物や日本茶、アニメ関連商品など現地では簡単に手に入らない商品を選び販売することは大事な要素である。
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