越境ECを構築すれば、これまでのマーケットを世界に広げることができる。越境ECは、海外に販路を広げるためにはもっともリスクの少ない方法である。海外を視野に入れると、日本では注目されないものや、思いがけないものが高額で売れることもある。
そこで、今回は海外に販路を広げるための一つの方法として、「海外向けのECモールに出店する」ために、「日本の越境ECモール=海外向けECモール」にはどのようなものがあるかを調べてみた。
海外向けECモールに出店する前に、まず、amazon.comなどのECモールに商品を出品するのが第一歩だ。出品し海外販売できれば、商品を揃え、モールに出店をするのが良い。
1から海外向けECサイト構築をするのではなく、海外向けECモール出店するメリットとしては、初期費用がほとんどかからないものが多いということ。低コストで低リスクであること。翻訳サービス、集客サービス、顧客対応サービス、決済サービスなど予め用意されている場合が多いということ。そして、何より出店、海外販売まで時間がかからないなどがある。
メリットが多い海外向けECモール出店だが、デメリットもある。日本のECモール同様、出店サービス料や販売手数料がかかること。また、デザインが画一化しページ内容やコンテンツ編集の自由度がない、掲載内容に制限がかかる場合がある、などがある。
次に「日本の海外向けECモール」にはどのようなものがあるのかを見てみよう。
Webスキルなどなくても、簡単にeBayの中に海外に向けて自分のお店を持てるのが、このeBay Storeである。eBayアカウントの登録し、eBayストアの種類を選択し利用することができる。
ストアのデザインカスタマイズもでき、購入者拡大のためのクーポンやさまさまなマーケティングツールが用意されている。
料金プランは出品数により3種類あり、主な内容は下記のようになっている。
参考:https://www.ebay.co.jp/selling-support/store/ebay-stores-subscriptions-fees/
Live CommerceではeBay出品ツールで簡単にeBayに出店することがきる。https://www.live-commerce.com/eBay/
今年、2016年1月27日よりリクルートライフスタイルが運営する「ポンパレモール」ではモールに出店している店舗は、手数料は無料で「Ponparemall JAPAN」に出品できるようになった。商品情報の翻訳や決済、配送、カスタマーサポートなどは「Ponparemall JAPAN」が代行し、「ポンパレモール」出店した店舗は、これまでの体制を変えることなく、海外販売も行うことが可能となった。
『Ponparemall JAPAN』に出品された商品は、 78万⼈以上の会員基盤を持つtenso社が運営する、海外転送・代理購⼊サービス『Buyee』の世界84カ国・地域の会員(2015年12⽉末時点)が購⼊することができるというものである。まずは、本家「ポンパレモール」に出店をするということが前提となる。
「ポンパレモール」と同様、楽天市場にも同様のサービスがある。これは、楽天市場モールに出店し、さらに海外販売サービスに申し込むと、初期費用・固定費無料で海外向け楽天市場「Rakuten Global Market 」で海外展開ができるというものだ。
「Rakuten Global Market」は4ヶ国語(英語・簡体字中国語・繁体字中国語・韓国語)で展開でき、アメリカ、中国、台湾、韓国など、世界に向けて販路を拡大できる。
外国語ページは自動翻訳され、外国語ページが自動で作成される。また、EMS自動印字サービスや国ごとのインボイスや配送伝票なども作成可能である。初期費用・月額利用料は無料だが、サービス利用料として売上げの4.0%(税別)の支払いがある。
参考:http://www.rakuten.co.jp/ec/environment/promo/kaigai/
モール開設、10年の経験とノウハウを持つ「ジャパンショップス」は世界の国々に対し、安価でインターネット販売を開始できるショッピングモールである。htmlやCSSなど専門知識がなくても、海外ECサイトを作ることが可能となっている。
また、「ジャパンショップス」では海外に独自の配送センターを設けているので、店主は商品が売れたら、配送センターに商品を発送するだけで良い。
料金プランは3種類あり、下記の内容になっている。
海外向けて商品を売る場合に感じる障壁、例えば、海外顧客対応、商品情報の英語化、海外配送、外貨決済など、様々な問題に対しサポートする機能を備えているのが、「Jzool.comマーケットプレイス」である。
「Jzool.comマーケットプレイス」は2008年オープン以来、日本から海外販売するショッピングモールに特化してきた。機能も豊富で定型メール、インボイス、英語による顧客対応、英文翻訳、配送料金テーブルなどがある。
また、「セラーステーション」という管理ツールを使って、商品情報の登録、在庫情報の更新、注文の管理、送料設定などができる。
料金は初期費用は¥9,800と同額がだが、下記の3種類のプランが用意されている。
●追い越せ国内売上げ
●ついでに海外進出
●はじめての海外
また、「Jzool.comマーケットプレイス」では、サービス開始記念で初期費用0円、月々920円、販売手数料20%のキャンペーンを行っている。
出店サービス:http://company.jzool.com/marketplace
インターフュジョン社の海外向けECモール事業として「Japan Brand Online」は国単位ではなく、言語圏でのカバーを基本としており、言語対応は英語、ロシア語、スペイン語、ドイツ語、フランス語、中国語。通貨も円、米ドル、ユーロ、ポンド、人民元、香港ドルに対応しており、最大世界で95%のユーザーを網羅している。
料金プランは一つで下記の内容となっている。
Live Commerceでは越境ECモール「Discovery Japan」を9月末まで試験運用している。これは、Live Commerceを利用して海外展開をしているお客様を対象に、販売している商品を「Discovery Japan」モールでも販売を可能にしたものだ。
商品情報の翻訳、商品プロモーション、顧客対応はLive Commerceで行い、商品発送のみをお客様が行うかたちとなる。
特徴は商品プロモーションとしてYoutube動画を作成するサービスだ。商品レビューは動画作成され、Youtube動画として公開される。料金に関してはかかる費用は売上手数料のみ。9月末までは0円だが、10月以降は15%の手数料を支払う内容となる。
上記サンプル画像の商品「コメ油」の商品プロモーションとして公開されているYoutube動画
海外ではどんな商品が売れるかわからない。今は日本製品や商品が、注目を集めている。アニメ、キャラクター、ゲーム、伝統工芸品、家電などの商品を海外に販路を広めたいが、英語スキルがない、集客方法がわからない、決済、配送などどうすればよいかわからないなど、スキルがない場合には、「海外向けECモールへの出店」から始めてみるという選択肢もあるのではないだろうか。