作成 : (C) デジタルスタジオ
multichannelmerchant に先日興味深い記事がありましたので紹介しようと思います。
クロスボーダーとは日本語では越境に翻訳され、Cross-Border Ecommerceは越境EC(電子商取引)としていろいろなニュースなどでも昨今使われています。
最新のアクセンチュアとアリリサーチ(Aliresearch)によれば、全世界的なEコマース2014年のB2Cの全体の取引量のうち、越境ECにしめる割合が14.6%あり、2020年までにその割合は30%近くになるそうです。そして、5年から10年後には越境ECという言葉そのものは使われなくなり、通常のECサイトとして海外のからの売上がいくらあったのかという、つまり通常のECサイトとして越境ECが標準化されていくのだと言います。これは数年前まではスマホからの注文なんてそう増えないだろう、、、と思っていたら、あっという間にスマホ経由の注文がPCサイトを超えてしまったように。
ここから先は当社の見立てによるところとなりますが、越境ECがEコマーストランザクションに占める割合が今後さらに増える理由としては、以下の点で新たなイノベーションが起こっていると思われます。
ここで、Eコマースソフトウェアにおけるローカリゼーションと翻訳イノベーションについて考察してみたいと思います。
Eコマース業界を見る前に、一般的なウェブサイトがどのように翻訳されているかを見てみるのが早いと思います。
ウェブコンテンツのCMSキングと言えば、オープンソースで配布され、2015年現在ではCMSで構築された全ウェブサイトの6割ものシェアを持っているWordPressですよね。
WordPressは米TimesやTech Crunchでも採用されているほど高トラフィックでも耐えられるだけのVIP専用サービスがあるなど、エンタープライズ市場でリードされながら、私達中小企業でも無料で使える形になっており、しかも全世界で配布されているため、開発が全世界レベルで行われています。
WordPressを上手に使いこなすことで短期間でほとんどコストをかけることなく大きなトラフィックを生み出すことができる仕組みがプラグインであり、ウェブサイトのローカリゼーションにイノベーション的要素を起こしているのが、WordPressのプラグイン「WordPress Multilingual Plugin」だと思われます。
ちなみに、WordPressを多言語化する場合、このプラグインの他にもここで紹介されているようなやり方があります。しかし、いずれを試行してみたものの、最小限の労力とサポートや技術進歩のスピードを考えると、WordPress Multilingual Pluginがベストです。
WordPress Multilingual Pluginをウェブサイトに導入すると、全記事に対して多言語用のフォームが表示され、有料で翻訳を依頼したい記事はIcanLocalizeというサービスに接続されています。WordPressオーナーはこのプラグインを導入すれば、圧倒的低コストで多言語ホームページを作ることが可能になります。。
WordPressで多言語化したいオーナーが、Icanlocalizeとwpmlまで使っているかどうかは、おそらく肌感覚で0.1%も導入が進んでないのだと感じていますが、実際のところはわかりません。
数字の根拠はないのですが、WordPressそのものが無料なので、そもそも有料のプラグインを購入するという発想はあまりないのでは、、、と思っています。
話を戻して、越境ECという時代の流れで海外取引量が多くなれば、自社コンテンツを低コストで大量に発信するというシステムインフラが必要不可欠であるのは理解できると思います。
越境ECをより成長させていくには、Eコマースと翻訳がIcanlocalizeとwpmlのような事例が1つの参考になるのではないかと思います。
翻訳を依頼しないといけないのは、動詞を含む文章で、それ以外の文章は、特に商品名などは担当者が翻訳をした方がいいというのがわかります。
これは、こういうことです。
「CASIO カシオ 腕時計 AW 591 2AJF メンズ Basic G-SHOCK」という商品名の場合、動詞が使われている箇所はありません。すべて名詞とメーカー独自の型番とブランド名称で、これなら腕時計の筋の専門家の方が翻訳者よりもマーケットに伝えやすい翻訳文にできるでしょう。
名詞を含まなければ専門の翻訳家に依頼しなくても自社でできることがわかります。
しかし、商品説明文の場合、
タルベゼルにはシンプルなシルバーを採用。落下時に衝撃が直接伝わらないボタン構造など、耐衝撃構造による必然のG-SHOCKらしいデザインに仕上げました。G-SHOCKのタフネスをストレートに受け継いだベーシックモデルです。
太字にした部分は形容詞や動詞が使われており、どの動詞を適切に使うかは翻訳者の方が上手であることがわかると思います。
つまり、依頼すべき翻訳データはほとんどが商品説明文に偏っており、商品名については自社でやったほうがい合理的ではないかと思います。
現在、そうした仮説的ではありますが、翻訳会社に発注するデータのすみ分けをする意味で、Live Commereでは独自の翻訳管理システムを平行して開発しています。日本語で登録された商品データをYahooが提供する日本語形態要素解析APIをフィルタリングさせて分類し、名詞の重複度をコンピュータに学習させて、名詞としてのヒット率が高い語呂から翻訳をするというやり方です。
↓はスクリーンショットですが、自社で翻訳できるようにBing翻訳とGoogle翻訳が翻訳フォームの右側に表示され、Google検索で一般的に使われている検索サジェストが英語で表示されるので、機械翻訳された結果と、実際に検索で使われている単語をその場で参照しながら翻訳できるようなユーザーインターフェースを設計してます。
Live Commerce としては、多言語ECサイトをつくるというプラットフォームについては既に多くの開発をしてきました。
今後は、WordPressのような事例を参考にしながら、Eコマースが多言語化していくにはどのようなイノベーションが必要になるのか、まだまだ課題は多いですが研究していきたいと思います。
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