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メーカー側から見た海外販売の全体像 – 越境EC販売マップ

   投稿者 : 2017年4月12日 By

当社への問い合わせで増えているのが、メーカーが海外販売をこれから仕掛ける時に、どうやって海外に販売すればいいのかという、抽象的なお問い合わせが多くなってきています。

2015年、2016年と年々越境ECへ参入する企業が増える中、毎月のように越境EC関連の新サービスなどのニュースが飛び交っていますが、当社は一貫して自社サイトの販売とモールの販売に関する独自戦略で海外からの売上を毎月増やしてきました。

当社はDiscovery Japan Mall 越境ECで自社で海外販売を行うにあたり、モールと自社サイトの両方で試行錯誤しながら売上を作ってきました。自社サイトを宣伝するときのポイントや、欧米系・中国系モールと本店自社サイトの使い分けについて、私の知見を紹介したいと思います。

本稿の対象は製造・販売する日本メーカーです。
複雑化するサービス支援などの業者が乱立していますが、最終的に誰に何を頼めばプロジェクトの失敗確立を減らせるのか、、、越境ECサービスが増える中で、ポイントはどこなのか、今回は私の独断と偏見に基づき、越境EC販売マップを作成しました。

 

ポイントは販売(委託)支援会社のパートナー選び

個別の事案についてお話しする前に、結論から行きます。

結論から言えば、パートナー選びがもっとも重要ではないかと思います。
私も日々、越境EC関連の同業者・運用支援会社と商談する機会は多いですが、個別のケースにおいては専門的な知識を持ちつつも、全体像や実際の販売に漕ぎ着ける細部の細部、またリードカスタマーの新規開拓という話になると、私と同じかそれ以上の専門的知見を持った人にまずあったことはありません。

つまり、私の持っている知見は自分でいうのもおこがましいですが、ある程度の専門性を持っていると自負しています。
大半の業界関係者は、物流とか関税とか決済とか税制面などの受注が発生した後の話ばかりが中心となっており、もっとも肝心である顧客をどうやって開拓するかという本質の話だと、まともに議論になりません。

大事なことは顧客を創り、事業として1つの柱を作ることですが、この話題に対するデータや知見、経験がないことには、誰と話しても無駄になります。

SNS運用には否定的

顧客を開拓する話の大半は欧米系だとfacebook、中国系だとWeChat、Weiboで話題を拡散するなど手法になっていますが、これらの手法は特定個人に依存したマーケティング手法であり、この手法を企業が採用した場合、その担当者が辞めた途端に全く機能しないことから、安定したリードカスタマーの開拓には不向きと考えています。

しかし、SNSに投資する広告費は年々拡大しているのも事実であり、完全否定をしているわけではありません。あくまでもリードカスタマーの開拓に限定して言えば否定的です。

逆で、一度でも接点をもった顧客とのリマーケティングをするマーケティングプラットフォームとしてはfacebook、WeChat、Weiboは妥当と言えます。後述しますが、当社はリマーケティングにこれらのプラットフォームを活用しています。

欧米系と中国系のマーケティングアプローチ

SNSを完全否定するわけではありませんが、SNSは上述した通り、仮にオペレーションマニュアルがあったとしても、個人に限りなく依存するマーケティング手法です。

それよりも、コンバージョン率が正確に計測可能なGoogleやプレスリリースの方が越境ECではベターです。これにはいろいろな意見もあると思いますが、あくまでも私見です。

欧米系であれば Google AdWords、Facebook製品カタログなどの自社サイトと連携したキーワード需要と完全一致したオンラインキャンペーンの運用の方が、安定したリードカスタマーの開拓が実際にはできています。中国ではどちらも使えませんが、Google や Facebookは中国を除く全世界に広告配信が可能であり、特にGoogle Shopping広告などは需要の分析には群を抜いて確かな情報源と言えます。何が売れるかよりも、どんな商品が検索されているのかを把握できるということです。

中国系では、SNSよりも情報発信源に直接投稿するプレスリリースが抜群の効果を発揮しています。これは実体験に基づくもので、私の過去のこの投稿を読んでいただければ分かります。いかにして一次情報提供者になることが重要かが分かります。SNSはあくまでも2次情報、3次情報の拡散に過ぎません。一次情報元を仕掛けることこそが本質のマーケティングであると思います。私が使っているプレスリリリースは日本の代理店を介していません。現地メディアへ直接発注しており、プレスリリースの配信費用も人民元で国際送金して支払いをしました。日本の代理店費用の間違いなく1/2か1/3の費用で行えたのではないかと思います。

中国のマーケティングは プレスリリース > SNSマーケ

中国系のプレスリリースは、広告代理店に頼むと確実に失敗します。広告代理店業での優秀な方はいますが、どうやってリードカスタマーを開拓するのか、その一文に魂を込めてかける人は一握りであり、その一握りの人に頼まないと成功しません。その一握りの方を中国で捕まえる必要があります。それが私が使ったプレスリリースの会社であり、日本の大学院にも留学経験のある中国の担当者が書いた記事でバズりました。これはラッキーだったのかもしれません。

プレスリリースの正攻法は現地のメディア、日本でいう朝日新聞や毎日新聞のような高貴なメディアから一次情報を発信してもらうことです。私は、プレスリリースの配信後に確かに1日で1年分のトラフィックが中国から来たのですが、それがデマやステマ的なものではなかったのか、本物のトラフィックだったのかをあえて確認したく、現地プレスリリースの本社に表敬訪問をしています。

その際に、現地社長からも「例年稀に見ないヒットだった」言われるほど、プレスリリースとDiscovery Japanの連携に成功しています。この一言が、中国でのマーケティングに対する1つの成功法則のようなものを実感、そして確実になった瞬間でした。そして、この手法を2度、3度と試行した結果も、ある程度同じ成果が得られることから、特定個人に依存しないマーケティング手法であり、企業として採用するのであれば、この手法が適していると判断しています。

WeiboやWeChatで業者にSNS運用委託(もしくは自社で中国人を雇って運用)をしているのが現実だと思いますが、そのコストと、プレスリリースのコスパを顧慮すると、遥かにプレスリリース1本の威力の方が勝るでしょう。

それでは、越境ECのアプローチとして、オンラインモールへの出店と自社サイトについて解説します。

無料のモールから始めること

メーカーが初めて海外販売を行う場合、色々な意見は社内で出ると思いますが、売上さえ上がれば社内の意見は大抵1つの方向にまとまります。

事業として投資の面から見た場合、売上を短期的に作る必要がありつつも、自社のブランド育成もしたい、、、、これがメーカー側の思惑ではないでしょうか。

まず、短期的な売上を絶対に作らなければなりません。
需要が見込まれそうな国へ、いきなり現地進出という手段もありますが、もっとも手軽で現地消費者への販売に漕ぎ着けられる手法は越境ECでのオンラインモール上での販売です。

海外販売支援業者と呼ばれる業者には、モールの出店に強い企業と、越境EC自社サイトの構築に強い業者の2つに大きくは分類されます。

私のアドバイスとしては、初期費用・月額費用のかからないモールに出店しつつ、海外向けの自社本店サイトを同時並行で作るというのがベストです。モールの出店にあたっては、自社運用と販売支援会社のサポートを得ながら出店する場合2通りがあります。

以下のようなキーワードで検索するといいと思います。もちろん、当社でも運用の代行は可能です。

  • eBay販売支援
  • eBay 出品ツール 日本語対応
  • ebay出品代行
  • Amazon販売支援
  • Amazon出品代行
代表的な越境ECモール
媒体 対象 出店規制 初期費用 固定費用
Amazon 日本法人のままOK 無料 無料
eBay 日本法人のままOK 無料 無料
Q0010 日本法人のままOK 1万円 無料
Rakuten Global 日本法人のままOK 既存契約オプション
Discovery Japan Mall 日本法人のままOK 無料 無料
天猫国際 日本法人のままOK $25,000 $5,000〜
Jing Dong 中国法人 500,000 RMB
VIPSHOP 日本法人のままOK 無料 無料

ここでは1つ1つのモールの特徴の解説は省き、小予算でリスクが少ない割に、費用対効果が悪くないものに特化して解説します。

越境ECはアメリカで売るか、中国で売るか、極論言えばこのどちらかです。

モール事案に関して言えば、Amazon、eBay、Discovery Japan、VIPSHOPの4つに出店しておけば十分でしょう。欧米系ではAmazon、eBayへ露出ができ、しかもeBayへの出品はLive Commerceのオプション機能で半自動化出品が可能ですので、この2つは押さえておきたいところです。

中国第3位のモール VIPSHOP は流通総額で比較すると Tmallに10倍の差がありますが、越境ECでの流通総額は2016年の成果では五分五分と報道資料から発表されています。VIPSHOPは中間流通業者を排除し、基本はメーカーとの直接契約が基本であり、現在多くの日本商品が掲載されていることから、特に女性向けをターゲットとした商材については強いと言えます。

Discovery Japan MallはAmazonやeBayと比較してそれほど大きなトラフィックはないものの、インドネシア語、タイ語、簡体字、繁体字、韓国語、英語と広範囲に対応言語をカバーしており、またGoogleとfacebookのネットワークをフル活用し、現在22ヶ国で海外販売を実施していることから、特定の国に偏りなく販売を期待できます。現在はインドから注文が増えています。

越境EC 自社本店サイトの選定について

自社サイト構築にあたっては、Magento、BigCommerce、Shopfiyなどが当社が提供しているLive Commerce以外の選択肢として可能です。

ちなみに、私はECサイト構築に於ける専門家ですから、これらの全てのクラウドソリューションはLive Commerceを2009年にオープンソースとしてリリースする以前から知っています。いずれのソリューションも越境ECに対応できますが、最大の欠点は責任問題になったときに、日本語でのサポートが受けられない点でしょう。また、拡張するにしても、日本で打ち合わせできるエンジニアの総数やサイト支援会社の経営規模などに不安もあります。これは本気で事業のアクセルを踏もうとしたときに、海外ソリューションでビジネスの事故なく進められるかという点で、個人的にはリスクを感じます。例えばこの例とか。

Big CommerceとShopfiyは米国での運用に高度なカスタマイズと拡張オプションが用意されているため、米国単一で見たときはLive Commerce以上の優位性があります。これは特に配送面(USPS、UPS、FEDEX、DHL)での送料計算のロジックがAPIなどと連携されており、すぐに利用できる点でしょう。

一方、当社が運用しているLive Commerceの利点は、自社でいくらでもカスタマイズやシステムの拡張が可能な点と、それを日本人である私自身がフルコントロールできる点です。また成功事例を見てもらって分かる通り、すでに数百億規模の流通総額が実績としてあり、8年以上の運用に基づく安定性です。

越境EC 自社本店サイトの集客

モールは、商品の優位性が高く、集客という面では苦労しません。楽天で成功した企業が自社サイトをやって失敗するというのは、ネットでの集客を全くやったことがない素人が自社サイトを構築しても集客の方法がわからないのためです。

越境EC自社サイトの集客は、当社の事例で言えば、Google AdWords広告 、Google AdWords Shopping、facebook広告、facebook製品カタログが欧米系、中国向けはプレスリリースとBaiduのリスティング広告だけです。SNSは社内のスタッフが時間のある時に投稿する程度で、本業が忙しいときはやらないことになっています。

ショッピングカートに商品を残したまま離脱したり、チェックアウト画面の最後で離脱したりした場合には、自動送信メールが送付され、購入完了を促すリマーケティングをシステムに組み込んで自動化をしています。

現在、もっともコンバージョン率が高い媒体は欧米系ではGoogle Adwordsのショッピングキャンペーンの広告、中国系ではプレスリリースです。中国でのプレスリリースについて上述した通り、最終的には現地メディアとの連携になるため、これ以降は欧米系に限定した話をします。

越境EC自社サイトに集客するにはGoogle AdWords広告を自社運用か他社運用か、このどちらでやるかがまず分かれ目になります。一般的に考えて、自社のGoogle AdWordsを運用できる人材を抱えている企業はいませんよね。ですので、実際にはGoogle AdWords運用代行会社に委託するケースが想定されます。中国であれば、Baiduリスティング広告ですが、ここで問題が発生します。

大半のキーワード広告を取り扱う代理店は最低月額費用としてN万円、管理費用X万円とう契約がほとんどです。
売上がまたゼロの状態でこの費用を払うのはある意味仕方ないと言えばそうですが、できることなら、モールのように売れたらN%、、という成果報酬型で委託できる方がメーカー側から見た場合リスクゼロにできますが、そこが運営代行会社との利害関係の不一致で、やはりどちらかが先に持ち出しコストを捻出をしなければなりません。

できる限り、持ち出しコストゼロでなんとか越境EC自社サイトで売上を作りたい、、、この課題をどうやったらクリアできるでしょうか。

答えは、パートナー選びになるのではないかと思われます。
広告を取り扱うパートナーがどこまでECサイトの運用に関してコミットしてもらえるのかでしょうか。

Google AdWordsショッピングキャンペーンはコスパが良い

Google AdWords広告にはキーワード広告とショッピング広告とネットワーク広告と動画広告の4種類があります。このうち、最も運用されているのは、キーワード広告になり、広告主としての利用者数も多いので自然と競争原理が働き、一番お金を払った企業の広告が検索エンジンで一番上に来るようになっています。

一方で、ショッピング広告は大手モールなどが一般的には運用しており、中小企業だと運用しているケースはレアです。このショッピング広告というのはキーワード広告と比較すると、キーワード広告が1クリック100円とした場合、ショッピング広告では1クリック1円もしくはそれ以下で広告を行えます。

あまりなじみのない広告かもしれませんが、例えばGoogle で「枕カバー」と検索すると、キーワード広告よりも上にショッピング広告が画像と価格付きで表示されます。

ショッピング広告は日本だけではなく、Googleが露出先の国を拡大をしています。実はこの運用がキーポイントになってきます。なぜかというと、ショッピング広告はそもそも、キーワード広告のように広告文の作成が不要です。キーワードと商品のマッチングするアルゴルズムをGoogle側が考えてくれます。ですから、広告主としては商品のデータだけをGoogleに掲載しておけば良いことになります。現地の言葉も翻訳も不要ということですので、越境ECでの集客には最も低コストで集客ができます。

ここで、成果が発生した商品に関連するキーワード広告で抽象度の高いキーワードを発見し、運用するというのが越境EC自社サイト向けの集客になってきます。

Google AdWords ショッピング広告は掲載する商品数にもよりますが、キーワード広告のように月に10万、100万、、とはなりません。そもそもの1クリックあたりの広告費が安いため、まずは月5万円程度でも十分効果が期待できます。その上で、成果が実際にあった商品に関連したキーワード広告を別に運用するのが上手な運用と言えるでしょう。

SNSを利用するのは、このオンラインキャンペーンで自社サイトに集まった見込み消費者をターゲットにリマーケティングでコンバージョンまでアシストするイメージです。

まとめ

当社の運用方針としては、短期売上としてのモール運用、中長期のブランドイメージ確立を狙った自社サイト運用の両輪を初期1年目はできる限りコスト圧縮して行います。

いくらぐらい必要なのか、ここで整理しておきましょう。

  • 大半の大手モールは無料、必要経費はモール支援会社の運用コストを把握すること。
  • 自社サイト運用は、Google AdWordsのショッピング広告を上手に運用すること。

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