拡大する中国EC市場 越境EC成功のポイント

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2月11日から17日の期間は中国の旧正月だった。2021年は新型コロナの影響で、帰省や渡航制限を受け、多くの中国人は地元で年越えを迎えた。
この春節期間の小売りの集計を18日、中国政府は発表している。
この期間は行動制限はあったが、店舗は営業していたため、例年だと旅行に使うお金が、小売り店や食品に流れた。
春節期間中の物販と飲食の売上高は、前年同期比28.7%増の8210億元(約13兆3700億円)だった。
売り上げが多かった商品としては、宝飾品で売上高が前年比160.8%急増した。
また、ネットショップではフィットネス関連機器販売が約150%増加した。
今回は中国のEC市場規模や越境EC市場、中国向け越境EC成功のポイントなど見ていこう。

■CONTENTS
  • (1)中国EC市場規模は20%の成長率で拡大
  • (2)中国の越境EC市場規模
  • (3)中国越境ECの2強「Tmall Global」と「JD Worldwide」
  • (4)2020年タオパオで売れた「中国10大商品」
  • (5)中国越境ECの成功のポイント

 

(1)中国EC市場は20%の成長率

昨年、経済産業省が公表した、「令和元年度(2019年)内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事(電子商取引に関する市場調査)」によると、中国のEC市場規模は、1位は中国の1兆9,348億ドル(約204兆円)、続いてアメリカの5,869億ドル(約62兆円)、イギリスの1,419億ドル(約15兆円)となっている。日本は4位で1,154億ドル(約12兆円)となっている。
中国消費者の多くはスマートフォンでの商品購入が主流である。
そして、中国のBtoC-ECのEC化率は36.6%(日本の場合は6.76%)で、この高い数値は、生活にネットショッピングが定着していることを示している。
そして、中国のEコマースは毎年20%増程度の勢いで成長を続け、2023年には約4.1兆ドル(約433兆億円)にまで達すると予想されている。

特に2020年は新型コロナ禍でライブコマースによる商品販売が活況となった。
コロナ禍での巣籠もり需要が拡大し、中国のライブコマースユーザー数は2020年6月末時点で、ユーザー数は約3.1億人に達している。
これは、中国の全インターネットユーザー(約9.4億人)の3割強を占め、ネット通販ユーザー(約7.5億人)の4割強を占める数値である。

(2)中国の越境EC市場規模

経済産業省の資料によると、2019年の日米中3カ国の越境EC市場規模は、中国越境EC市場規模は3兆6,652億円(前年度比11.8%増)、次にアメリカの1兆5,569億円、日本が3,175億円となっている。
そのうち、日本経由の購入額は1兆6,558億円(前年比7.9%増)、アメリカ経由の購入額は2兆94億円(前年比16.3%増)となっている。

越境EC2019

中国消費者は越境ECを良く利用しており、経済産業省の資料によると、消費者の43.1%は月に1~2回利用すると答えている。
さらに資料では、越境ECによる日本商品の購入経験者は、アンケート回答者数 1,200人のうちの65.3%が、購入経験の有りと回答している。

また、日本の商品で良く買うものは、化粧品・美容関連製品が40.6%でトップで、次にトイレタリーの38.2%、健康商品の35.8%、食品・飲料の32.1%、家電の26.7%となっている。

越境ECで売れる商品

それでは、中国消費者はどのようなECサイトで日本の商品を購入しているのだろう。
次に中国2大ECプラットフォームを解説する。

(3)中国越境ECの2強「Tmall Global」と「JD Worldwide」

下のグラフは中国のECプラットフォーム事業者のシェアに関するデータである。
トップの天猫(Alibaba)は50.1%、次に京東(ジンドン)の26.5%、さらに近年、SNSを取り込んだソーシャル型ECとして急成長している、拼多多が12.8%などとなっている。
中国消費者が良く利用する越境ECは「天猫国際 Tmall Global」と「京東国際(JD Worldwide)」である。この2つの越境ECプラットフォームの特長について次にまとめた。

中国のEC売り上げシェア

■天猫国際(Tmall Global)

『天猫国際』(Tmall Global)』は、中国の大手IT企業アリババグループ(阿里巴巴集団)が運営するBtoC越境ECサイトである。
もともとは、アリババは2003年から「淘宝網(タオバオワン)」というCtoC向けのECを運営しており、中国法人のみが販売できる国内BtoCEC「天猫」を2008年にオープンさせた。そして、2013年には、外国法人が出店できるBtoC越境ECサービス「天猫国際(Tmall Global)」をオープンした。
現在は、「天猫」と「天猫国際」を合わせて、5万の出品者と約7万ブランドが流通している。
「Tmall Global」は、中国法人を持たない越境ECとして出店できる日本の楽天のような出店型プラットフォームとして位置づけされる。
「Tmall Global」での日本の売れ筋商品は、美容関連、健康関連、マタニティ・ベビー用品などである。

Tmall

■京東国際(JD Worldwide)

中国で第2位のシェアの京東(ジンドン)は、スマートフォン向けチャットアプリ「WeChat」を運営するテンセントグループの一つである。
2000年代からネット通販を展開し、ネット通販では国内向けの「京東商城(JD.com)」と越境ECである「京東国際(JD Worldwide)」を運営している。
こちらも、Tmall同様、中国法人を持たない越境ECとして出店でき、Tmallが楽天なら、JD worldwideは、Amazonのような仕入れ販売が中心のプラットフォームである。
日本の売れ筋商品は、デジタル家電、美容関連、マタイティ・ベビー用品などである。

JD

 

2020年のコロナ禍、中国のEC市場は巣ごもり消費を取り込み、プラス成長を続けた。
中国最大のセールイベント「独身の日」では、天猫と京東は大きく売り上げを拡大させた。
天猫は4,982億元 (約7.9兆円)、京東は2,715億元(約4兆2350億円)と、どちらも過去最高を記録している。
2020年、天猫、独身の日では、デジタル家電21%、ファッションアイテム20%。美容関連商品18%、インテリア・車用品11%、マタニティ・ベイビー用品8%などが売れた。

(4)2020年タオパオで売れた「中国10大商品」

2020年、中国も日本やアメリカと同様に新型コロナウイルスの影響によりネット利用が増加し、売り上げを伸ばした。
1月18日の中国国家統計局の発表によると、2020年の中国のGDPは前年に比べ2.3%のプラスだったと発表した。
さらに、2020年一年間のネットショッピングの売上高が11.7兆人民元、日本円にしておよそ187兆円だったことも発表された。
前年と比べ、11%ほどの伸びを見せている。

そして、2020年中国ネットショップ、「タオパオ(Taobao)」で売れた「10大商品」も公表された。
1位はやはり「マスク」、タオパオで75億人が検索したとされている。
そのほか、料理に使うハンドミキサー、中国名物麺料理「熱乾麺」、ヘルメット、さらにはJK制服やウルトラマン、スポーツウエア、(バスケットボールやサッカーなどの)が選ばれている。
面白いのは日本の商品である、JK制服やウルトラマンが選ばれているところである。
JK制服の売上高は前年より255%増えており、レディースファッションカテゴリでは、年間売り上げトップワンとなっている。
コロナ禍で日本に行けないこの時期、アニメなどの日本文化的商品を買うことで、来日気分を紛らわせているのかもしれない。

中国で売れた10大商品

また、この商品郡を見ると、ネット購入者層は、1990年代生まれ〜2000年代生まれの若者層である。
中国消費はこの世代が、費の盛り上がりを後押しし、中国のネットショッピングの新しい流れをリードする形となっている。

(5)中国越境ECの成功のポイント

中国越境ECで日本商品の販売を後押しするのは、中国SNSとライブコマースの活用である。
中国消費者は、ユーザーの評価、知名度、口コミから購入する傾向が高く、特にインフルエンサーの商品PRには効果がある。
中国消費者の商品情報はほとんどがSNSからで、中国の「Weibo」や「WeChat」といったSNSを活用し集客できれば、大きな売り上げを見込めるだろう。

また、2020年はSNSを活用したライブコマースが活況した。
中国の大きなセールである「6.18」や「W11」では、SNSで知名度のある、インフルエンサーによる商品レビューを行うなど急激に売り上げを伸ばした。
中国互联网络信息中心(中国ネットワークインフォメーションセンター:CNNIC)によると、中国におけるライブコマースの利用率は、2018年12月時点で47.9%であったものが、2020年3月時点では62.0%に拡大している。

今後、中国のライブコマース市場は拡大すると予測され、越境ECにおいても、特にセール等を行う際には、インフルエンサーによるライブコマースの活用することが有効なようだ。

日本の阪急阪神百貨店では、中国春節にあわせて、化粧品、菓子、宝飾品などを中国インフルエンサーにより、ライブコマースを実施し商品の魅力や使ってみた感想をリアルタイムでユーザーに伝えた。

阪急百貨店

2020年中国のライブコマースについてやライブコマース活況内容については、「中国6.18商戦はライブコマースの急拡大が顕著」を参照いただきたい。

まとめ

2020年、中国もアメリカ、日本と同様で新型コロナの影響から巣ごもり消費となり、ECが拡大した。そして、中国独自の生活文化の上に成り立ったライブコマースが中国ECを牽引した形にとなった。
現在、このライブコマース市場はコロナが収束し落ち着いているが、このトレンドは新型コロナ禍だけの特殊需要だったのか、今後もこのマーケティングは持続するのか、越境ECをより効果的なものにするには、見極める必要があるだろう。

参考:

 

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