« ブログのトップページに戻る

中国から日本企業が運営する中国向け越境ECサイトのサーバレスポンス速度を調べてみた

   投稿者 : 2017年5月22日 By

中国向け越境ECサイトの落とし穴
これでビジネス?馬鹿げた実態とは?

中国向け越境ECを独自ドメインで運用する日本のサイト数はまだ非常に少ないものの、当社が独自の視点で調べているデータでは年々増えている傾向になると思います。

独自ドメインサイトで本格的に中国向けECサイトを運用していく際の最大の課題は

中国側から見たときの「サイトの表示速度」です。

そこで、中国向け越境ECサイトを運営しているサイトをいくつかピックアップし、実際に当社が中国からサイトの表示スピードを調べてみました。すると、これでビジネス?と思えるほどの閲覧遅延結果に驚かれされました。

 

サーバの設置場所の問題とは?
サーバを中国に設置するか日本に設置するかという課題があります。具体的には、中国大陸からの日本のサーバに設置してあるウェブサイトを閲覧すると、数十秒から1分・2分とレスポンスタイムが非常に遅くなっています。これは日中間のインターネット回線が混み合っており、VPNなどの専用線を使って、さらに帯域保証された回線でないとさくさく閲覧とはいきません。

この課題の解決方法には大まかに3通りのアプローチがあります。価格が高い順で、

  1. 中国本土のサーバを使う
  2. 中国本土のCDNを使う
  3. 日本のサーバで中国と帯域保証されたVPN回線を使う

となります。ここでは中国法人を持っていない日本企業を対象として、順に説明します。

 

1、中国本土のサーバを使う
結論から言うと、ICPライセンス非保持企業だと不可能です。
中国本土のサーバを使うにはICPライセンスが必要で、ICPライセンスは実在の中国法人でないと取得できませんから、中国本土にサーバを設置するというのは、EC立ち上げ当初の選択肢としては、現実的ではありません。

2、中国本土のCDNを使う
同じく、中国のCDNを使うにはICPライセンスが必要ですから、不可能です。
中国向けにCDNサービスを提供している大手企業もありますが、ICPライセンス非保持企業のECサイトをホスティングすることは違反ですから、物理的には可能だとしても、中国政府からいつ停止措置を喰らうかわからないリスクがあります。

3、日本のサーバで中国と帯域保証されたVPN回線を使う
物理サーバは日本のデータセンターを使用し、その物理サーバと日中間の回線をVPNにして帯域保証するやり方です。これが最も現実的であり、日本企業のままで中国向けに高速なウェブサイトを提供することが可能になります。

では、3の帯域保証+日中間のVPN専用回線でどれくらい速くなるのか、検証した結果をレビューしたいと思います。

日中間 をVPN回線、10M帯域保証のウェブサイト表示速度の結果

まずは、HMA! PRO VPNのアプリを使って、自分のデスクトップを中国本土の回線経由にスイッチします。

HMAアプリを使って、中国本土にアクセスした環境を仮想で用意します。

 

なを、検証結果を公平にするために、ブラウザはGoogle Chromeで全ての拡張機能は停止、履歴削除を行い、ブラウザ保存されたキャッシュは無しの状態で行います。

検証1、日本データセンター(さくらインターネット)
日本のサーバで全く対策をしていない場合、当社のDiscovery Japan Mallで検証し、このデータを基準にどのくらい速くなったのかを比較します。

日本のデータセンターを使っています。

 

初期レスポンス 1.86 sec
全読込まで 14.35 sec

サーバのApacheの初期レスポンスは約1.9秒ですから遅くはありません。それに対して、ファイル全読込にかかった時間は約14秒ですので、中国からは非常に遅いサイトと言えます。


検証2、日本データセンター+VPN専用回線 + 10MB帯域(中国電信
日本のサーバで日中間の接続にVPN専用回線 + 10MB専用帯域を付与して、当社のDiscovery Japan Mallでもう一度検証してみます。結果は14秒→2.5秒に劇的に改善されました。

日本のデータセンター+日中間専用回線を使っています。

 

初期レスポンス 1.30 sec
全読込まで 2.50 sec

サーバのApacheの初期レスポンスは約1.3秒であまり変化はありません。しかし、ファイルの読込にかかった時間が劇的に2.5秒ということで、1秒台は難しかったものの、今後チューニングをおこなうことで更に速くなりそうな予感がします。

続いて、海外向けに越境ECを提供している、日本のその他のサイトも検証してみたいと思います。


検証3、Yahoo.co.jp

初期レスポンス 2.94 sec
全読込まで 15.61 sec

日本では圧倒的なトラフィックとどこからクアセスしても速いYahooです。
中国からでは、サーバのApacheの初期レスポンスは約3秒で遅いです。サイト全体も約15秒ですので、中国から閲覧した場合は遅いサイトになってしまっています。


検証4、鳥取・島根良品
中国向けに提供されているECサイトで、ICPライセンス非保持ですので日本サーバで運営している中国向けの越境ECサイトになります。

初期レスポンス 3.39 sec
全読込まで 30.51 sec

中国からでは、サーバのApacheの初期レスポンスは約3秒で遅いです。サイト全体も約30秒ですので、中国から閲覧した場合は離脱率が高いと思われます。遅いサイトになってしまっています。


検証5、Japan Civilization Institute Store
中国向けに提供されているECサイトで、ICPライセンス非保持ですので日本サーバで運営している中国向けの越境ECサイトになります。日本の伝統工芸品や地域の名産品などを販売しています。

初期レスポンス 5.52 sec
全読込まで 20.56 sec

中国からでは、サーバのApacheの初期レスポンスは約5.5秒で遅いです。サイト全体も約20秒ですので、中国から閲覧した場合は離脱率が高いと思われます。遅いサイトになってしまっています。


検証6、Japan Square
中国向けに提供されているECサイトで、ICPライセンス非保持ですので日本サーバで運営している中国向けの越境ECサイトになります。JR西日本が運営しており、日本の伝統工芸品や地域の名産品などを販売しています。

初期レスポンス2 2.14 sec
全読込まで 21.60 sec

中国からでは、サーバのApacheの初期レスポンスは約2秒です。サイト全体は約20秒ですので、中国から閲覧した場合は遅いサイトになってしまっています。


検証7、Ippin
中国向けに提供されているECサイトで、ICPライセンス非保持ですので日本サーバで運営している中国向けの越境ECサイトになります。モール形式を採用しており、Discovery Japan Mallと同じような商品が掲載されています。日本の伝統工芸品や地域の名産品などを販売しています。

初期レスポンス2 2.65 sec
全読込まで 20.60 sec

中国からでは、サーバのApacheの初期レスポンスは約2秒です。サイト全体は約20秒ですので、中国から閲覧した場合は遅いサイトになってしまっています。

まとめ

今回、中国電信(China Telecom)の専用回線を利用しただけあって中国からは圧倒的に高速表示の結果がでました。ICPライセンスを取得すれば中国本土のサーバ、CDNなどを利用できるメリットはありますが、サーバの運用や保守などがすべて中国の仕様で行う必要があるため、当社としては本格的な進出をしないのであれば、日本のサーバ+中国専用回線の運用がベストだと言えます。今回、行った中国専用回線についてはファーストクラスのプランにてご利用いただけます。

タグ: , , , ,

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

今なら海外展開の為の成功BOOKを無料ダウンロードできます。是非この機会にお読みください。