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加速する 中国の「ニューリテール戦略」とは

   投稿者 : 2019年2月20日 By

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中国の景気が減速し中国向け輸出減など、日本にも影響が出てきている。アメリカとの貿易摩擦も影響し減速に追い打ちをかけている。
そのような中、アリババグループは好調をキープしているようだ。 今年、1月31日に発表された2018年10-12月期の決算報告では、グループ全体で昨年比41%増の1,172.78億人民元(約1兆9,119億円)。
さらに、アリババ小売プラットフォームの月間アクティブユーザー数は6億9,900万人と発表されている。ちなみにamazon.comの第4四半期の売上は、605億ドル(約6,693億円)、アクティブバイヤー数は3億1000万人である。
アリババはアマゾン同様、Eコマース界のリーディングカンパニーであり、近年では様々な形の新しいビジネスを展開している。その一つに「ニューリテール戦略」がある。
今回は、今、中国で展開される様々な「ニューリテール戦略」について調べてみた。

「ニューリテール」とは「O2O」の進化形である

「ニューリテール」とは、2016年10月にアリババのジャック・マー会長が提唱した10年~20年先の未来に訪れるだろう新しいリテール(個人消費者に向けた小売・顧客視点)の概念を具現化しているものだ。
つまり、テクノロジーとデータを駆使し、オフラインとオンラインが融合した小売りビジネスであり、それにより、より優れた顧客体験を提供し、小売事業者のビジネス課題も同時に解決するという画期的なものだ。
「ニューリテール」は単にオンラインからオフラインへと送客することを意味する「O2O」という概念ではなく、オンラインとオフラインの融合を意味する「OMO(Online Merger Offline)」とも言われ、オンラインとオフライン=物流、データ、テクノロジーなどのすべてを統合して小売りに活用した、新しい小売りビジネスモデルである。
そして、「ニューリテール」はアリババのみならず、中国ネット大手の京東、騰訊、蘇寧易購、美団なども、アリババに対抗するかのようにニューリテールサービスを展開している。 次にその中国の代表的な「ニューリテール事業」の事例を見ていこう。

アリババ「ニューリテール事業」の中核「盒馬鮮生」とは

アリババが運営する「盒馬鮮生(ファーマーションシェン)」は、キャッシュレス可能なスーパー+フードコート+新鮮な魚の調理+迅速配送(物流)という、4つの要素を組み合わせた次世代型スーパーマーケットである。
「盒馬鮮生」は無人レジ店舗のセルフレジとなっており、購入したい商品は、商品QRコードをスキャンし、自分で袋詰めし、支払いはAlipayで行う。
そして買った商品は、店舗から5キロ圏内なら最速30分で自宅まで無料で配達してくれるというものだ。
さらに、ユニークなのは買った生鮮商品は、その場で食べられるという、フードコートがついている点である。店内には水槽があり、カニや魚を購入した後、フードコートで食べることができる。
つまり、スーパー+無人レジ+スマホ決済+イートイン+即日配送を合わせた、まさに、オンラインとオフラインが融合したスーパーなのである。

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実店舗とEコマースの組み合わせた「淘宝心選」

雑貨屋「淘宝心選」はタオパオが展開するショップである。リビング雑貨を中心に文具や家電などを扱っている。
商品は「タオパオ」のアプリを使って、商品バーコードを読み取れば、詳細情報を知ることができ、商品が気に入ればアプリ画面で注文することができる。
会計はセルフレジの決済画面で行う。実店舗で商品を確認しながら、オンラインで商品購入するシステムである。これもオンラインとオフラインを組み合わせたニューリテールショップの形である。

「Tmall Global」の実店舗版「天猫国際」

「天猫国際」は中国国内で最大の海外商品を扱うモールサイト「Tmall Global」のリアル店舗である。
「天猫国際」は昨年4月に1号店を杭州にオープンした。店内は日本のコンビニ程度の広さで、売られているものは「Tmall Global」同様、日本の紙おむつや、シャンプー、歯磨きなどの日用品から、酒類、お菓子など、1100アイテムほどあり、値段も「Tmall Global」と変わらない。
商品にはQRコードがあり、専用アプリでコードをスキャンすると商品情報や商品レビューを閲覧できる。会計は専用アプリ上で「カート」に入れてAlipayで決済する。
また、商品は午後2時までに購入すれば、自宅が店舗から5km圏内なら、当日着配送が可能である。

テクノロジー&データの活用「天猫智慧門店」

アパレルブランド「Kerr&Kroes」とアリババとコラボした、アパレルショップが「天猫智慧門店」である。
「天猫智慧門店」の特徴はバーチャルフィッテイングシステムを活用したバーチャル試着ができることである。 ショップには大型モニターがあり、モニター前の指定された位置に立つと全身がスキャンされ、ショップが推薦するコーディネートファッションをバーチャルで試着できるというものである。
このようなシステムは、何度も試着が面倒だと思っている女性にとってはありがたいだろう。細かいサイズの調整やカラーの選択などもでき、商品を単に手にとって購入するだけではない、テクノロジーによる楽しい買い物体験を重視したリアル店舗である。
商品が気に入れば、画面に表示された、QRコードをスキャンすればそのままTmallで購入できる。

タッチパネルで注文するセルフレストラン「五芳斋」

日本のフードコートスタイルにスマホ決済を合体し、厨房以外は無人化を狙ったスマートレストラン「五芳斋(wufangzhai)」である。
「五芳斋」の店内にはタッチパネルがあり、パネル注文した後しばらく待つと、調理された料理が食品専用のボックスに置かれ、スマートホンにメッセージが届く。
お客は専用ボックスまで行き、ボックスの前で受信メッセージのQRコードをスキャンするか、スマートホン上の指定箇所をクリックすると、ボックスが開く仕組みになっている。
この仕組みがあれば、レストラン業務の接客部分を省力化でき、厨房での料理に重点を置くことができるだろう。しかし、実際には、トラブル対応スタッフが、お客様対応に追われ、今後のオペレーションに課題が残るようだ。

無人コンビニ「云拿智慧商店」が上海空港に

昨年10月31日アメリカ、Amazon Go型と同様の無人コンビニ「云拿智慧商店(LePick)」が上海空港にオープンした。
中国でも独自のAIを活用した無人コンビニが本格的な普及ステージに入った。 すでに、この無人コンビニの受注状況は300店舗を超えており、米国、日本、韓国、ヨーロッパなどからの引き合いもあるという。
「云拿智慧商店」はまさに、Amazon Goの中国版で、これまでのようなRFIDタグを活用した店舗運営ではない。
ユーザーは自身のスマートホンからアリペイやWeChatから「云拿智慧商店(LePick)」の自動決済とを紐つけることで入店でき、ユーザーは店内で任意決済を行うことなく、気に入った商品を取り出し店外に出るだけでショッピングは完了。
退店時に、自身のアカウントに購入商品の一覧リストが送信され、数秒後に自動決済が行われる。 「云拿智慧商店」はAmazon Goとユーザープロセスは全く同じだ。
「云拿智慧商店」はITテクノロジーにより便利で快適なショッピング体験をユーザーに提供し、これまであった小売の購入プロセスに、新しいテクノロジーを融合させ新しい小売体験を現実化している。Amazon Go同様、今後の展開が楽しみである。

上海のスターバックスとアリババのコラボレーション

アメリカコーヒーチェーンのスターバックスは、2017年12月より、アリババと連携し新しいいサービスを提供している。
上海でオープンしたスターバックス「Reserve Roastery」では、アリババの「タオパオ」アプリで、スマートホンをサイフォンにかざすと豆の種類やコーヒーの歴史や文化を知ることができる。 また、オンライン決済(Alipay)も導入され、レジに並ぶことなく、コーヒーを購入することができる。
さらに、スターバックスは2018年8月には、アリババの傘下の「ウーラマ」と提携し、コーヒーの宅配サービスも開始した。ユーザーは店舗に並ぶことなく、アプリからスターバックスコーヒーを注文し、自宅で温かいコーヒーを飲むことができる。
今後はスタバのデリバリー事業は中国30都市に広がり、店舗2000店以上で展開される予定である。

まとめ

ここまで、見てきたように中国の「ニューリテール戦略」とはリアル店舗のあらゆる面をデジタル化することにより、これまでの伝統的な小売業界を新たな形に変革しようとするものである。
「ニューリテール戦略」はデジタルを活用した新しい買い物空間の変革であり、より快適な買い物体験の提供である。
さらに言えば、来店する顧客データを収集し、顧客ビックデータの解析により、どのようなお客様がどういう嗜好をもち、いつ来店し、いくら消費するかを分析し、次の戦略を立てれるところがポイントである。
日本はオフライン市場が強く、オンラインテクノロジーが実店舗に活用されているとい言い難いが、オフラインとオンラインの融合化は”グローバルスタンダード”となる日はそう遠くはないだろう。

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