Eコマースに利用できるチャットボットって何?

イメージ画像

最近、特にEコマースではチャットボットによるサービスを提供しようという試みが増えている。EC業界では通販サイト「ロハコ」に導入された顧客サポートチャットボット”マナミさん”が有名だ。
また、Appleが提供するiphoneにもある呼びかけ質問に答えてくれたり、会話を楽しむAI機能の一つが、チャットボットと呼ばれるものだ。
今回はEコマースとチャットボットの動向について見ていこう。

●チャットボットとは何なのか?

チャットボットとは、人間との自然言語でコミュニケーションを行うコンピュータプログラムのことであり、”ボット”とはロボットの略称である。
チャットボットは人がコンピュータを操作し、行っていた一つ一つの処理を人に変わって自動的に行ってくれるプログラムで、処理した内容を言語表示で会話形式で返してくれるシステムである。
”ボット”という言葉自体は、最近出てきたものではなく、IRCと呼ばれる自動会話=サーバを介してクライアント同士が文章のみで会話するシステムが始まりである。
チャットボットは主にモバイルディバイス上で使用され、主なものとしてはFacebook Messanger,LINE “Messaging ,WeChatなどが有名でこれらは、まるで、人と話しているかのように情報収集を行うことができるシステムである。
システムは通常、機械のアルゴリズムによるものだが、場合によってはAIによる高度な会話も実現可能である。
現在ではいろいろなチャットボットサービスがある。面白いニュースがあったら知らせてくれるニュースボット、スケジュールを管理するスケジュールボット、日用品や食料品の注文を手伝ってくれるショッピングボットなど、対話形式で目的とする内容に、効率よく、短時間に到達できることから、今後も多くのチャットボットによるサービスがリリースされると思われる。次に有名な3つのチャットボットプラットフォームを見ていこう。

 

●チャットボットプラットフォーム

チャットボットが知られるようになったのは、2016年4月にリリースされた、Facebook Messangerを利用したチャットボットプラットフォームである。現在ではMessanger以外にも、LINE, Skype, Kik, Telegram等が同様のボットを発表している。

 

1.Facebook Messengerボット

Facebook公式のHPでは、Facebook Messengerボットを導入したいと考える事業者へ向けて実践的なガイドラインがある。それによると、ユーザーにボットを見つけてもらうことや会話のカスタマイズ、顧客管理など説明されている。企業はMessengerボットを利用してメッセンジャー上にチャットボットを設置すると、ユーザーはそのチャットボットから、企業のサービスを利用できるようになる。
下はCNNの事例だが、CNNボットは「何を読むか?」でカテゴリーを選ぶことで、記事一覧とその要約を伝えてくれ、さらに、記事を選ぶと元サイトに誘導されるなど情報収集を助けてくれる。

cnn

 

2.LINE “Messaging API”

昨年9月にLINEは “Messaging API”の提供を開始した。このMessaging APIはPush API(ボット→ユーザーへ:任意のタイミングでの発信)とReply API(ボット⇔ユーザーの双方向:ユーザーへの応答メッセージの発信)をカスタマイズすることでチャットボットを構築することができるプラットフォームである。1対1でも複数人でのトークやグループトークにも対応できる。

lineメッセンジャー
https://business.line.me/ja/services/bot

 

3.WeChatボット

チャットボットを市場に最初に創出したのは、MicrosoftでもFacebookでもない、中国の大手IT企業テンセント社である。WeChatは7億人も月間利用者がいる中国最大シェアを誇るSNSで、WeChatを介して、チャットの送受信や無料電話などの通信機能、マッチング機能「シェイク」や決済機能など、アプリ内で行うことができる。
公式アカウントの取得もチャットボットで自然言語対話を通して行うなど、Wechatは中国人にとってウェブサービスの玄関口なのである。

wechat画像
http://www.wechat.com/ja/

 

●日本でのEコマースチャットボットの導入

1.アスクル「ロハコ」のECウエブ接客

日本ではまだ、ECサイトで対話形式で買い物ができるという、ECアプリはない。有名なものはオフィス用品販売で知られるアスクルのECサイト「LOHACO」の人工知能チャットボット「マナミさん」である。
「マナミさん」は24時間対応できるチャット形式で問い合わせできるチャット接客サービスである。このような人工知能チャットボットによる接客を体験した人のアンケートによると、88.7%以上の人がECサイトの満足度が高まったとしている。

ロハコ
https://lohaco.jp/support/index.html?sc_e=zm_palj_aas_blh_cleg_dps_del

 

2.チャットボット導入を急ぐ「ユニクロ」

日本経済新聞の報道によると、大手衣料品店「ユニクロ」は人口知能による接客サービスの導入に力を入れている。
「ロハコ」のようなお問い合わせ内容に対するチャットボットではなく、ユーザーの好みや要望に対し人工知能が推測し、品ぞろえの中から最適な商品を薦めるというもので、具体的にはユーザーとの会話の中から、例えば、「寒い」といキーワードがあれば、そのキーワードからセーターなどユーザーの要望にあった商品を推測し提案するというものだ。

参考:http://www.nikkei.com/article/DGXLZO13076690X10C17A2TI5000/

 

3.LINEのチャットボットを利用した電子チケット販売

サンリオピューロランドでは、オンラインショップからチケット購入すると、サンリオのLINE 公式アカウントから電子チケットが届くというもので、チケット購入時にはハローキティからお礼のメッセージが届いたり、入館後も館内案内やグッズ紹介などをLINEのチャットボットを介し、双方向コミュニケーションを実現するというものだ。
チケット購入をチャットボットで行うことで、利用者との親密性の高いコミュニケーションを可能にした。

参考:http://itpro.nikkeibp.co.jp/atclact/activer/nkpr/RSP435669_07022017/

 

●まとめ チャットボットがもたらすEコマースの未来

AIを利用したチャットボットEコマースは、対話型ネットショッピングの実現である。
ユーザーは電話や電子メールなどより気軽にチャット質問ができたり、いちいち欲しいものを検索しなくても、チャットボットに’質問するだけで、お薦め商品を提案されたり、目的のものを短時間に購入できるメリットがある。また、返信も早いうえに、チャット履歴も残るためトラブルも少なくなる。
チャットボットEコマースでは実店舗での対面販売に近い感覚でのコミュニケーションが可能になり、顧客満足や成約率の向上が期待できる。
現状では、まだ、ユーザーが本当に使いたいと思うチャットボットの利用シーンは少なく、現行のアプリやWEBサービスをやめて、チャットボットがすぐに普及することはないが、将来的には、実店舗に近いショッピンを楽しめるEコマースは、比較的早い段階で普及してゆく可能性は高いと思われる。

関連する記事

知らないと損をする、越境EC配送の新時代!... これは、今後越境ECを始めようと考えている、又は既にやっている方向けの記事です。 特に、「容積重量」という言葉を聞いた事がないという方には是非読んでいただきたいと思います。 そもそも、「容積重量」というのは運送会社で送料の計算をする時に使われる言葉です。 これまで、日本の越境E...
2019年 Webデザインの潮流 Webデザインはその年、その年で新しいものが生まれ、トレンドとなったり、ならなかったりする。 2018年のトレンドと言えば、グラデーション、スプリット(分割)レイアウト、タイポグラフィデザインなど見た目のデザインが多かったように感じられる。 今年はどうだろうか? デザインを行うには「見た...
海外のECプラットフォームのメリットは?... 日本のBtoCにおけるEC市場規模は15兆1,358億円(2016年)、2020年には20兆円規模にまで拡大すると予測されている。EC化率は物販系分野で5.43%。このEC化率においてはアメリカは7%、中国は15%などと比べるとまだまだ低い数字と言えるだろう。 逆に言えば、まだまだ、店舗が...
ECの巨人AmazonとZOZOTOWN 2018年も後半に入った。国内では、西日本を襲った記録的な豪雨による災害が相次いでいる。被害に遭われた方、避難を余儀なくされている方に心より、お見舞い申しあげる。 今回は昨年2017年のEコマースについてランキング資料をベースに振り返りつつ、昨年も他を大きく引き離し成長したECモール、「Am...
グーグルが爆発的成長を予測するインドネシアのEC市場... インドネシアのEC市場は2018年の270億ドルから、2025年までに3倍の1000億ドルに達し、東南アジア最大の市場なると予測されている。 この予測は、米グーグルによる調査が発表したものだが、内容によると次のインドネシアの4分野について大きく成長すると予測している。 ひとつ目は、Eコマ...
ドローン宅配は実現するのか? アメリカ、中国、日本の現況...   7月23日より東京オリンピックが開幕となった。開期直前まで紆余曲折あった東京オリンピックだが、大会経費は1兆6,440億円と史上最高額と大きく膨らんだ。 そして、このオリンピックの開会式で一際、式を盛り上げ注目されたのは、1824台のドローンが東京オリンピックのシンボル...

タグ:

このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントをどうぞ