【2021年版CtoC-EC市場】日本・中国・アメリカを比較

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8月12日に発表した「メルカリ」の2021年6月期通期(2020年7月~2021年6月)連結業績は、売上高が前期比39.1%増の1,061億円と増収増益となった。
また、「メルカリ」の年間を通じた月間アクティブユーザー数(MAU)も前期比12.0%増の1954万人と増加しており、ある調査によると「メルカリ」の利用率は、CtoC市場で5割を超えたという内容もある。
これらは、新型コロナ禍による巣ごもり消費による利用者の増加が考えられ、2020年の国内CtoC-EC市場は新型コロナの影響でこれまで以上に成長したようだ。
今回は、経済産業省の「令和2年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)」より、2020年の国内のCtoC-EC市場、中国のCtoC-EC市場、アメリカのCtoC-EC事業者について整理した。

国内CtoC-EC市場規模

「CtoC-EC」とはConsumer to Consumer、Eコマースの略で、日本語では個人間取引を指す。
経済産業省の市場調査では、個人間ECの拡大から2016年より市場規模を調査推計し、その内容を公表している。
2020年の国内CtoC-EC市場規模は1兆9,586億円(前年比 12.5%増)となっている。
2019年は1兆7,407億円の市場規模で、前年比伸び率は9.5%だったことを考えると、2020年は大きく成長していることが分かる。
その背景には、BtoC-EC市場同様、新型コロナウイルスの感染症拡大の影響で外出自粛からEC利用者が増加した結果、BtoC-EC市場が拡大したことに伴い、CtoC-ECの利用者も増加したと考えられる。

図01

国内CtoC-ECの安心・安全に対する取り組み

新型コロナ感染症が流行した2020年前半、マスクや消毒剤などの供給が逼迫し、CtoC-ECプラットフォームで高額金額での出品、取引が相次いだ。
いわるる高額転売であるが、政府は、国民生活安定緊急措置法に基づき、それら商品を取得価格より高値で転売できないよう規制を行った。
また、「メルカリ」などは「新型コロナウイルスの影響に伴い、取引が禁止されている商品」として、それら商品の出品を禁止するガイドラインを設けた。
ここでは、日本のCtoC取引における不正出品を防止する取組みを見ていこう。

不正品防止など国内CtoC-ECに関する取り組みは大きく2つあり、ひとつは、出品された商品の不正出品の監視機能である。監視には人海戦術による監視とITを駆使した自動監視がある。
2つ目は、外部機関との連携による不正出品の抑制対策がある。
これは、大手CtoC-ECプラットフォーム事業者が加盟するCIPP(インターネット知的財産権侵害品流通防止協議会)によるガイドラインの作成である。
その他にも、プラットフォーム事業者自身の強化策として、出品基準やルールの厳格化、担当者間の密な連携は適切に行われているようだ。

CtoC-ECの場合、原則的にはサービス運営事業者は、CtoC-EC利用者に対して責任を負わないこととなっているが、「代金支払ったのにものが届かない」、「商品が偽ブランド商品だった」、「偽のチケットを転売された」、「レビューがやらせだった」など悪質なトラブルがあとを絶たない。
個人間の取引においても、これらを厳重に取り締まる法整備、プラットフォーム運営における利用規約やガイドラインの徹底が望まれるところだ。

中国のCtoC-EC市場規模

中国のCtoC-ECとは、リユースCtoC-EC市場である。
CtoCの商品も、ユーザーの中古品ではなく未使用品在庫がほとんどで、さらにブランド模倣品、著作物の海賊版なども取引されているようだ。
中国では、CtoC-ECプラットフォームはアリババグループの Taobao(淘宝網)が有名だったが、現在は、アリババグループ傘下の「闲鱼(Xianyu)」、テンセントが出資する同城の「轉轉(Zhuan Zhuan)」、JD.com(京東)グループ傘下の「拍拍(PaiPai)」、「愛回収」(Aihuishou)など様々なプラットフォームがある。
中国のMobData研究院によれば、2020年は1兆2,540億元(約21兆4,000億円)に及ぶとの見通しである。
また、中国CtoC-EC利用者も1.87億人を超えるとされており、伸長率も毎年、30%とBtoC-ECの成長率以上に大きく成長している。

図02

中国のCtoC-EC市場トピック

中国CtoC-EC市場のポテンシャルの高さは、海外の事業者からも注目されいる。
2021年3月、現在中国で最大のCtoC利用者を誇る「淘宝」と「閑魚」2社と日本の「メルカリ」が提携した。
これにより、日本の出品者が「メルカリ」に出品することで、中国の「淘宝」と「閑魚」を通じて、中国9,000万人とも言われるCtoCユーザーに対しても販売可能となったわけだ。
日本の中古のブランド品は中国では人気があり、これを機会に、日本の中古ブランドなどのリユース製品が、越境ECから中国CtoC-EC利用者へ流通することを期待したい。

アメリカのCtoC-EC市場

「令和2年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)」では、2020年の具体的なアメリカCtoC-EC市場規模についての明記はないが、アパレルのリユース市場は2020年で320億ドル(約3兆5,300億円)、2024年には640億ドル(約7兆円)まで拡大するとされている。
その中のオンライン中心とした市場では、2020年で100億ドル(約1兆1,000億円)となっている。

アメリカのCtoC-EC市場は、eBayが席巻してきた感があるが、近年、CtoC-ECサービスはベンチャー投資を受けてスマートフォンアプリとして、EC利用サービスを提供する新たなサービスが増加している。
下のグラフは、「statista」から引用した「アメリカの2020年第4四半期で急成長しているCtoC-EC Webサイト」を示したものである。

図03

Rebagは、ユーザーが中古の高級バッグを売買できるデジタルプラットフォームで、Rebagの在庫には、ルイ・ヴィトンやグッチなどの50の高級ブランドが含まれている。
Depopは、2020年の第4四半期に急成長した、ロンドン発のファッションに特化したCtoCフリマアプリである。
Depopのアメリカのユーザー数は約500万人。さらにユーザーの9割を16歳から24歳までのZ世代が占め、今、注目を集めているプラットフォームだ。
そして、アメリカで人気フリマアプリであるOfferUpは、近隣のユーザー間で品物を売買し、対面での商品の受け渡しと支払を主とするフリマアプリである。
2020年9月には最大のライバル企業であった「letgo」を買収した。

アメリカのCtoC-ECのトピック

Eコマースにおいては、返品は無料で対応するのが一般的であるが、アメリカではCtoC-ECにおいては販売者が個別に返品ポリシーを設定することが可能となっている。
Amazonなどの返品ポリシーは、基本的には無料で返品/交換だけではなく、返品送料は事業者負担である。
このCtoC-ECの返品ポリシーに返品/交換の条件、期間の詳細、返品送料などを明記できるのである。
2020年は、コロナ禍の影響で、感染予防から返品を受け付けない店舗が増えた。
体に直接触れる衣類の場合、サイズ違いなどの返品は、返品→交換ではなく、「商品は返送しないで、お支払い料金は返金します」という内容が増えたようだ。

また、調査アンケートによると、新型コロナの影響で66%の親が自らの財政を心配し、回答者の39%がCtoC-ECの利用を考えると回答したという。
今後もアメリカのCtoC-EC市場は、様々なフリマアプリがスタートアップし、一定規模の取引ニーズが存在することから、さらなる成長が予想される市場である。

まとめ

今、世界は「サステナビリティ(持続可能性)」や「循環型経済」への関心が高い。
SDGs(持続可能な開発目標)の目標のひとつである「12.つくる責任 つかう責任」は、持続可能な生産消費形態を確保するための目標である。
つまり、リユース関連事業が具体的なターゲットとしてあり、再生利用・再利用としての持続可能な個人の行動も、これからは「環境への配慮」として、大きな価値を生む時代になる。
その一端を担うCtoC-EC市場は、今後、さらに拡大する可能性があるだろう。

参考:「令和2年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)

 

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