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IT大国ブラジル、越境ECの可能性はあるのか

   投稿者 : 2019年10月30日 By

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日本の裏側に位置するブラジル。ブラジルは世界で日系人が一番多く暮らす国でもある。
また、ブラジルといえば、サッカー、コーヒー、リオのカーニバルなど連想されるが、IT関連企業も多く、ユニコーン企業がここ数年で、10社も生まれているIT大国でもあるのだ。
Eコマース市場も拡大しており、2018年の調査ではEコマースでの売り上げは、前年比12%増加の532億レアル(約1兆4528億円)となっている。Eコマースを利用するユーザーは、スマートフォン、タブレット端末からの購入するケースが増加しており、今後もこの上昇は続くと見られている。
また、ブラジルは日本との結びつきが非常に強い国の一つだ。今回は、このブラジルのEコマース、越境ECのポテンシャルについて調べてみた。

既に新興国ではない、将来性の高い国ブラジル

ブラジルは南米で最も大きな面積、851.2万平方キロメートル(日本の22.5倍)と南米大陸の約半分を占めている。人口も世界で5番目に多い、約2億947万人で、インターネットユーザーも1億4000万人となっている。
ブラジルは国民総所得(名目GNI)はイギリスに次ぐ世界第7位、南米のリーダー的存在であり、南米への海外販売、海外取引では無視できない存在である。
また、日本とブラジルは親交の歴史は古く、1908年、笠戸丸による移住をもって開始された。2008年はブラジル移住100周年であり、この年を「日本ブラジル交流年」として祝賀が催された。
また、ブラジルはBRICSの一員として、2000年以降、経済発展を遂げている経済大国であり、主にハイテク産業が発展した工業国である。
中でも、航空機産業は有名で,売上台数世界4位の旅客機メーカー・エンブラエル社はブラジルを代表する輸出企業であり、日本をはじめ世界中の航空会社や企業と取引を行っている。

※BRICs(ブリックス、英語 Brazil, Russia, India, China から)とは、2000年代以降著しい経済発展を遂げているブラジル、ロシア、インド、中国の4ヶ国の総称。

さらに、ITサービスにおいては日本以上に普及しているようだ。
FacebookやGoogleの利用者数は世界3位。「Youtube」や「Netflix」などの動画サービスは米国に次いで2番目に大きな市場を有している。
そして、日本ではまだまだ、普及が進んでいない配車サービス「Uber」や空き部屋シェア「Airbnb」といった新サービスも、ブラジル国民にとっては、すでに日常的に利用されているのである。
ブラジルは新興国などではなく、すでに発展を遂げた国である。
ユニコーン企業(FinTechやライドシェアなど)がここ数年で10社も生まれたIT大国として南米を牽引している。

※ユニコーン企業とは、企業としての評価額が10億ドル(約1250億円)以上で、非上場のベンチャー企業を指す。

日本のソフトバンクグループもブラジルには注目しており、50億米ドル(約5500億円)規模のソフトバンク・イノベーション・ファンドをブラジルに設立すると発表した。
2019年10月17日現在、ブラジルの世界のGDPランキングは第9位の(1,867,818百万ドル)となっているが、2050年には世界ランキング5位になると予測され、いずれ、日本を越えるポテンシャルを有した国なのである。
以下にブラジルの基本情報をまとめた。

  • 面積:851.2万平方キロメートル(日本の22.5倍)
  • 人口:約2億947万人(2018年,世銀)
  • 首都:ブラジリア
  • 民族:欧州系(約48%),アフリカ系(約8%),東洋系(約1.1%),混血(約43%),先住民(約0.4%)(ブラジル地理統計院,2010年)
  • 言語:ポルトガル語
  • GDP(名目):1兆8,678億米ドル(2018年,世銀)
  • 一人当たりGNI:9,140米ドル(2018年,世銀)
  • 経済成長率(実質GDP,ブラジル地理統計院):1.0%(2017年),1.1%(2018年)
  • 通貨:レアル
  • 為替レート:1米ドル=約3.85レアル(2019年7月1日現在)(1レアル=約28円)
  • 経済概況:世界第9位かつ南米最大の経済規模を誇る。2017年の経済成長率はプラス1.0%で2018年もプラス1.1%と前年と同じ伸び率。(ブラジル地理統計院)
  • 平均年収:日本円で156万円~1,350万円(国際給与調査会社調べ)
  • インターネット料金:Wi-Fiと124チャンネルのケーブルテレビで1ヶ月140~180レアル程度(約3,822円〜4,915円)。
  • iPhone6(32GB)の価格:61,800円(ブラジルでは輸入品の価格は高い)
  • タクシー料金:30分利用で50レアル(約1,370円)
  • 在留邦人数:52,426名(2017年10月現在)(外務省 在留邦人数調査統計)
    (長期滞在者:3,936人,永住者:48,490人)
    (日系人総数推定 約200万人)
  • インターネット利用者人口:1億4000万人(67%)
  • スマートフォン普及率 世界ランキング:22位(41%)
  • Eコマースを通じて商品購入経験者:3,810万人(23%)
  • Facebookの利用者人数 :1億1100万人程度

ブラジルのEコマースと有名ECサイト

ブラジルは南米最大の経済圏であり、世界で5番目に大きな国土と人口を有する。そして、インターネットユーザーは総人口2億947万人のうち1億4000万人(67%)とされている。
Euromonitor Internacionalによると、ブラジルは中南米のB2C電子商取引の約42%を占め、1億1100万人のFacebookユーザーがおり、これは世界規模で3位である。
また、今年、Ebit|Nielsen社は2019年のブラジル国内のEコマース販売は前年比15%増加の612億レアル(約1兆6713億円)に達するだろうと予想している。
Eコマース市場は毎年2桁成長を記録しており、その要因として、スマートフォンによる一般消費者の日用品購入が加速していることがあげられる。
以下に大手ブラジルの有名ECサイトを調べてみた。

MercadoLibre

https://www.mercadolivre.com.br/

mercado

スペイン語でフリーマーケットという意味を持つ「Mercado libre」は、もともとはCtoC向けの中古品を売るためのオークションサイトとして誕生したが、現在ではBtoCとして南米最大のEC企業となっている。
「MercadoLibre」は本社をアルゼンチンに置き、南アメリカ大陸18ヶ国に展開している。
南米では、「MercadoLibre」がシェア、ナンバーワンである。
「MercadoLibre」で南米18カ国でトップの売り上げを上げているのはブラジルである。その伸び率は、25.4%と高いものだ。

Amazon

https://www.amazon.com/ref=nav_logo?language=en_US

amazon

2017年10月、「Amazon」はブラジルに本格進出した。電子機器を中心に雑貨なども取り扱い、中南米を中心に大きなマーケットを築きつつある。
2019年1月には、配送センターを開設し9月には、プライム」サービス開始し、「プライム」会員は、配送料無料、90超の地方都市向けに最短48時間で配達するサービスを受けらるなど、地元で利用されているECサイトへの差別化を図っている。

B2W Digital

https://ri.b2w.digital/

b2w

「B2W Digital」は中南米企業としては、「MercadoLibre」に次ぐ規模のシェアを誇る、複数のサービスを運営している。
本社はリオデジャネイロにあり、「B2W Digital」内にはAmericanas.comやSubmarino.comなどといったマーケットプレイスがある。
「B2W Digital」は、既に、アルゼンチンやメキシコにも進出しており、今後は、インド、ウルグアイ、中華人民共和国、チリ、アメリカ合衆国で事業拡大を計画している。

Magazine Luiza

https://www.magazineluiza.com.br/

magazine

「Magazine Luiza」は、GPA、Viavarejo、Lojas Americanasなどとともにブラジル最大の小売企業の1つである。「Magazine Luiza」は独立系ECとしては、ブラジルで最も大きなECサイトである。
特徴は、1001以上の実店舗と9つの流通センターがあること。オンラインで購入した商品のアフターケアが実店舗で受けられるなど、消費者にとって魅力的なサービスを提供している。

Dafiti

https://www.dafiti.com.br

defuti

「Dafiti」はファッション系ECサイトとして、多くの利用者を持っている。
ファッションEコマースとして「Dafiti」は、アルゼンチン、チリ、コロンビア、そしてメキシコで利用者数を伸ばしており、毎月2500万人ものユニークユーザー数を獲得している。
実店舗でも、ニューススタンドにBluetoothビーコンを配置し、買い物客のスマートフォンへのプロモーションメッセージを送信するなど、独自のマーケティングを施策している。

●ブラジル消費者がEコマースで購入するもの

ブラジルのEコマース利用者の平均年齢は、43.3歳で地理的にはサンパウロやリオデジャネイロ地域からの利用が全体の6割を占めている。
また、2016年の2016年メルカド・リブレ・ランキングによると、1位がカーアクセサリー、2位がパソコン、周辺機器、3位が携帯電話、スマートフォンなどとなっている。

ブラジルで購入されるもの

ブラジルEC市場における越境ECの可能性は?

ブラジルでは越境ECで商品を購入した経験者は、約49%と高い割合を示している。ブラジルユーザーが海外から商品を購入する理由としては、価格が安いことがあげられている。
また、JETROによると、2018年のブラジルにおける、海外EC利用ランキングベスト5企業のトップは中国の「アリエクスプレス(AliExpress)」(23.9%)、2位は米国サンフランシスコに本拠を置くECサイトで中国製品を多く取り扱う「ウィッシュ」(23.8%)と僅差で中国の越境ECとなっている。
「アリエクスプレス」はブラジルを世界5大市場のひとつとして位置付け、現地IT企業と共同で30日間の期間限定店舗も開設している。
3位はNike(18.2%)、4位はAmazon(18.0%)、5位はApple(9.4%)となっている。

ブラジルのEコマース

そして、今年10月、ブラジルのEコマースプラットフォームを運営する、「B2W」は、越境ECに対応した外部サイトへ日本からの出展企業勧誘強化を打ち出している。
これにより、日本からも低コストでブラジル市場への販売が可能となり、これは、日本のEコマース事業者にとっては朗報と言えるだろう。
「B2W」では販売手続きにための電子申請内容を整備中とのことである。

ブラジルの国内配送料や関税、決済などはどうなっている?

まず、輸入国際小包の配送料については、ブラジル郵便電信公社が主流となっている。越境ECでの輸入が2018年5月時点で30万個と急増したことにより、国際郵便、輸入小包は配送料を一律、15レアル(約390円、1レアル=約26円)を徴収することとした。
また、輸入関税を見ると、課税対象額(商品価額+輸送費+保険料)に対して、一律60%が課せられる。それら配送料、関税など加算してゆくと、かなり高額となり、越境ECでは商売にならないとの指摘もある。
だが、ブラジル国内、実店舗で販売されている海外輸入商品もそれなりに高額であるため、海外ECサイトで購入した方が安く手に入るとコメントも多いようだ。

越境ECでの決済手段は、クレジットカードが62%、ペイパルが28%、ボレトとよばれる銀行支払いが9%で通常の越境ECサイトの支払いシステムがあれば問題ないだろう。
クーリングオフの期間は7日間と消費者保護法で定められており、返送は出品者負担となる。

ブラジルの決済

まとめ

ブラジルは、南米最大のIT大国でありEC市場と言っても良いだろう。そして、IT大国となってもまだまだ、貧富の差、格差が激しい国なのは事実だ。今後はITによりブラジル経済がさらに発展し、スマートフォン、ソーシャルメディア、ECサイトの普及が加速し、輸入ビジネスの構造や慣習を変えて行くことだろう。
ブラジルにおける越境ECプレーヤーは中国、アメリカが多く、まだ日本企業の進出は無いようだ。ブラジル消費者は多少値段高くても買いたいという、日本製品に対するニーズは大きい。
ブラジルを南米への海外販売、ビジネス成功の足がかりとして、まずは、ポルトガル語の越境ECサイトを構築し、Google広告、Facebook広告、さらに現地インフルエンサーによるSNSを通じたマーケティングに取り組むところから始めるのが有効だろう。

出典:

 

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