Webデザインはその年、その年で新しいものが生まれ、トレンドとなったり、ならなかったりする。
2018年のトレンドと言えば、グラデーション、スプリット(分割)レイアウト、タイポグラフィデザインなど見た目のデザインが多かったように感じられる。
今年はどうだろうか? デザインを行うには「見た目のデザイン」と「機能のデザイン」を抑えなければならないとよく言われるが、2019年のトレンドはフラットデザイン2.0やユーザビリティといった「機能のデザイン」が打倒し始めている気がする。
今回は、参考にしたいWebデザイントレンドを見ていこう。
フラットデザインはこれまでデザインの基本となっていた。
スキューモグラフィックではなく、フラットで軽く見た目もすっきりさせ、スマートフォン時代に対応したデザインとして浸透した。しかし、ユーザビリティの課題が指摘されいたのも事実である。
「フラットデザイン2.0」とはこの課題となっていたユーザビリティに対応したフラットデザインと言える。 通常、使わないドロップシャドウやグラデーションやCTAボタンとわかるように角丸四角を使ったデザインなどがそれにあたる。
マイクロインタラクションとは、ユーザーのアクションに対して、フィードバックやステータスの変化といったものを伝えるイベントであり、反応である。
ユーザーがボタンを押した時の動きであったり、画像にマウスがホバーした時のエフェクト、スクロールアニメーション、ページを更新した時のビープ音など様々なものがある。
ユーザーの使いやすさを考慮してデザインする場合は、このマイクロインタラクションにこだわったデザインが必要となるだろう。
https://dribbble.com/shots/2445047-Daily-UI-002-Credit-Card-Payment
モバイルファーストデザインは、2018年、Googleの「モバイルファーストインデックス」が正式スタートし、サイトデザインをする際の常識になりつつある。
従来であれば、PC画面のデザインを最初に行い、後にモバイル画面に合わせてCSSメディアクエリを設定するというプロセスだった。 だが、最近はスマートフォン画面のデザインを最初に行い、その後PC画面のメディアクエリを設定するプロセスに変わってきている。これが、本来のモバイルファーストである。
どちらの方法で製作しても、スマートフォンデザインを作るということには変わりはない。 しかし、スマートフォンからのアクセスが多いと最初からわかっている場合は、スマートフォンのデザインを最初に行うべきだろう。
スマートフォンの持ち方や親指の動きに合せたレイアウト、ナビゲーション位置の設定など、実機で確認しながら行う必要があるからだ。
筆者が在職しているWebデザインの専門学校でも、昨年から、PC用Webデザインから教えるのではなく、スマートフォン用Webデザインから授業を始めている。
ユーザーにいかに快適に、使いやすいサイトサービスを提供するかが「ユーザビリティ」である。
ECサイトなどは、買い物ステップのどこかにユーザーが躓いてしまうようなサイト設計では、それだけでユーザーは離脱し、大きな損害を生みだすことになる。
ユーザーにとって快適な、使いやすいサイトは、ユーザー数が増加し、売り上げに大きな影響を及ぼすだろう。
前段で記述したフラットデザイン2.0、マイクロインタラクションやチャットボットの導入などはユーザビリティの向上に役立つだろう。
モバイルデバイスやPCなど幅広いデバイスに対応したスピーディな表示速度や動作も重要である。
ビデオコンテンツはもはやトップページデザインの定番となったと言えるだろう。 テキストと写真のみのデザインと比べると多くの情報量、つまり、企業や商品イメージにあった魅力的な印象、ブランドイメージを与えることができる。
2019年はさらに広がると予測している。 新しい点としてはGoogleの検索表示に動画も表示されるようになったことがある。 Webサイトでは動画コンテンツを埋め込むことで、検索されやすくなり、さらに動画だとシェアされやすくなるので、このトップ画面の動画や動画コンテンツは検討れるべきである。
また、トップページ動画は動画再生のオフボタンやサウンドのオンオフの選択もできるようにし、ユーザビリティを考慮する必要があるだろう。
https://www.intelligent-home.jp/
2019年、ECサイトではチャットボットがトレンドとなるかもしれない。 なぜなら、Aiやディープラーニングの進歩で、より賢く効率的になる可能性が高いからだ。
https://www.aliceandwhittles.com/?sscid=31k3_a8201%20#home
これまで、ナビゲーションメニューは最上部に固定配置が定番だったが、プルダウンメニューなどはメインコンテンツの閲覧を妨げているとも考えられ、最近では左側に配置されるのがトレンドとなっている。
最近のサイトデザインはメッセージが一目でわかるようシンプルにデザインする傾向が強いが、ECサイトデザインは逆の場合が多い。 つまり、ECサイト内に商品数が多いことや商品説明が細く記載されるものが受け入れられている。
つまり、ユーザーは商品を購入する前に、他の商品と比較し、詳細情報を読み、 可能な限りその商品について知ろうとする傾向にある。
デザインはシンプルが基本であるが、そのために必要な情報を省略してはならない。
下記のサイトでは、言葉では説明できない商品の良さを数秒の動画再生で示している。
以前から続いているトレンドもあったが、デザイントレンドをチェックし、Webサイトを使いやすく、魅力的に見せることは重要な要素である。
「デザインを最適化する」、「適切な形でサイト構築する」とは、トレンドをふまえつつ、様々な環境の人が快適に閲覧でき、また、色々な世代の人が使いやすいデザインを構築することである。
そうすることで、一人でも多くのユーザーを獲得することが可能になり、収益の確保にも繋がるのである。