越境EC決済にはPayPal(ペイパル)がおすすめ!

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PayPalとは、一言でいうと、個人で世界中の相手とお金のやりとりが簡単に行えるサービスである。メールとインターネットだけでPayPal口座間やクレジットカードで入出金(現在は限定国のみ)、決済が可能。海外では企業間取引でも使われており、信頼性の高い世界最大の越境EC決済のプラットフォームなのである。
今回は越境ECでよく利用されている、このPayPal(ペイパル)のメリットなどについて見ていこう。

 

PayPal(ペイパル)はどんな会社?

まず、PayPalは、1998年12月にPAYPAL Inc.の社名で設立され、2002年にEbayに買収されその子会社となっていたが、2015年7月にPayPal Holdings Inc. の社名で独立。日本を含む同社の国際部門は、シンガポール(PayPal Pte.Ltd)を拠点としている。現在では世界中の200ヶ国以上、1億8800万人以上のユーザーに利用されている。
2016年の第2四半期は前年度15%増のの26億5千万ドル、マーチャント(売買業者)について見ると、第2四半期末時点のアクティブなマーチャントアカウント数は1450万件だった。第2四半期に処理した合計決済額(Total Payment Volume:TPV)は860億ドルで、そのうち240億ドルはモバイル決済だったという。
また、PayPalのソーシャル決済プラットフォーム「Venmo」で処理したTPVは39億ドルで、前年同期比141%の増加だ。取引件数は前年比25%増の10億4千万件、そのうち約半分が国際取引である。1アカウントの年間平均取引は29件となっている。
(昨年度は平均26件)つまり、一度PayPalを使い始めたら、その便利さ、安全性から継続して利用される顧客が増えている。PayPalはさらなるパートナーシップを拡大し消費者にとって安全で便利、スピーディーな決済システムを提供していく予定。

 

PayPal(ペイパル)は大手企業も利用(個人とビジネスアカウント)

PayPalは、個人の売買だけでなく、1450万件の売買業者のビジネスアカウントもあり、IKEA(イケア)や航空会社のCathay Pacific, Eventbriteなどの企業でも利用されている。さらに、先日、7月21日にクレジットカード会社のVISAと提携したことにより、両社共通の顧客は、VisaカードとPayPalアカウントを統合しやすくなる。
さらに、PayPalはVisaのトークナイゼーション(トークン化)サービスへのアクセスが可能となり、PayPalのデジタルウォレットを実際の小売店舗で受け付けてもらえるようになる。この提携は、ApplePayやGoogleWalletなどの競合にとって脅威となる。
また、この提携によって、PayPalに入出金の所要日数が約1日掛かっていたが、即時に対応が可能となる。すぐにVisaのデビットカードで出金できるメリットは大きい。
*入出金に関しては日本ではサービスされていない場合もありますのでご確認下さい。

 

PayPal(ペイパル)は本当に安全なの?

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PayPalは、すべての取引を2,000人以上の不正対策専門チームで365日24時間監視、不正、フィッシングメール、なりすましなどによる被害を未然に防ぐ体制を整えている。また、クレジットカード情報保護のための国際セキュリティ基準であるPCI DSSに準拠している。
特に最近では不正アクセスによる被害も多いので、海外サイトに限らずクレジットカード情報を登録するのは慎重になる。先にも述べたが、PayPalは、上記の安全対策のみならず、「メールアドレスだけで決済」が済まされるため、クレジットカード番号を様々な通販サイトに登録するより、PayPalを利用すれば登録数を最小限に抑えられる、
つまり「情報漏えい」を回避できるということである。購入履歴も全てPayPal上で一括管理、確認ができるので、領収書を保管する必要もない。さらにPayPalは、販売者と消費者を保護する制度がある。

 

例えば次のような場合、

  • 「商品未受領」(INR): PayPalを利用して代金を支払った商品が届かなかった場合
  • 「説明と著しく異なる」(SNAD): PayPalで代金を支払い、商品を受け取ったが、「説明と著しく異なる(SNAD)」の場合

ケース1 書籍を購入したのに、DVDまたは空のボックスを受け取った。

ケース2 商品購入時の説明では「新品」と表記されていたのに中古商品を受け取った。

ケース3 商品は本物であると広告にはあったが、受け取った商品は本物ではない場合。

ケース4 商品には、主要パーツまたは機能が欠落しており、そのことについての説明が購入時にはなかった。

ケース5 売り手から商品を3つ購入したのに、2つしか受け取らなかった。

ケース6 配送中に商品にかなりの損傷があった。

このような場合に買い手が保護される制度は、買い手にとって非常に安心材料となる。 さらに詳しい内容は、ペイパルのユーザー規約に掲載されている。

 

PayPal(ペイパル)を使う9つのメリット

  1. ショップにクレジットカード情報を渡さなくて済む
  2. 簡単に決済できる。
  3. 支払いはメールアドレスの入力のみ
  4. 個人情報の扱いやセキュリティはPayPalをチェックするのみ
  5. 購入履歴などを一括で管理できる
  6. 為替レートは商品を購入した日のレートになるので変動リスクがない
  7. PayPalへの支払いをクレジットカードにすることでポイントも貯まる
  8. PayPalの為替レートは購入時に現地通貨で購入するかを自分で判断できる
  9. アカウントに固定管理費が掛からない

 

それぞれの越境ECサイトのセキュリティーを気にする必要もなく、世界中で知名度も高く1億8800万人も利用している。

 

便利なID決済ーワンタッチ™機能も

ユーザーは一度ログインすればその後はIDとパスワードを入力せずに支払ができるようになった。このID決済機能は、海外では、One Touch for Webと呼ばれる。PayPalの最近のモバイル支払機能の改良をウェブに拡張したもの。
One Touchでは、認証情報はアプリ内に安全に格納されるのでユーザーは支払をするたびにPayPalのIDとパスワードを入力しなくてもよい。携帯の小さな画面で認証作業をするのは面倒なので、今後、携帯でのショッピングを利用が増えることが予測されるのでこれは便利だ。Airbnbなど様々な企業既に採用している。最大180日間 ログイン状態を保持可能。

 

中小企業向けに短期少額のローンも

PayPalは、Working Capitalと呼ばれるサービスも提供している。2013年のサービス開始から、9万件の中小企業へローンを提供している。現在はアメリカ、イギリス、オーストラリアのみのサービスだが、将来的には拡大していると予想される。

 

PayPal の手数料は?

基本的にペイパルの開設費、年会費は無料。クレジットカードなどを使用しない場合、PayPalの日本国内の口座間の送金も無料である。 クレジットカードなどによる、決済手数料(商用支払い手数料)は以下の通りである。外貨建ては外国為替手数料もかかる。米国向けの場合は、

  • 日本から日本へ 円建て – 3.6% + 40 円
  • 日本から米国へ 円建て – 3.9% + 40 円
  • 日本から米国へ 米ドル建て – 3.9% + $0.30 USD

外国為替手数料としては以下の2つの選択肢がある。

  • PayPal の外国為替機能を利用。米ドルの場合、3.5%+スプレッド
  • クレジットカード会社の外国為替機能を利用。米ドルの場合、1.63%+スプレッドである事が多い

 

まとめ

PayPal(ペイパル)は、筆者の経験上、Ebayでの買い物でも、ワンタッチ機能もあり、入力も簡単で、履歴もしっかり管理されるのでかなり使いやすく、特にイギリスでは誰もが利用していた決済方法だ。 現在は、Ebayからも独立し、世界的大企業になりつつある。
先日のニュースでは、VISAとの提携開始、IKEA や航空会社とも提携しサービス拡大中。 信頼性が高く、便利な機能を持ち合わせている事から、次世代の決済システムだと言える。海外では既にかなりの割合で利用されている。
また、Paypalのメリットは、消費者、販売者の保護システムがある事、越境ECサイトには最適な決済システムであると思われる。 越境の場合、為替手数料が3%~掛かるが、安全重視の決済としては利用価値がありおすすめの決済サービスである。

 

 

参考資料:

https://www.paypal.jp/uploadedFiles/wwwpaypaljp/Supporting_Content/jp/contents/whitepaper_2016.pdf
https://www.paypal.com/jp/webapps/mpp/ua/useragreement-full?locale.x=ja_JP#personal_Exhibit_A
https://ja.wikipedia.org/wiki/PayPal#.E6.B1.BA.E6.B8.88.E6.89.8B.E6.95.B0.E6.96.99

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